欧州議会は10月24日、使い捨てプラスチック製のストロー、マドラー、食器(ナイフ・フォーク・スプーン・皿)、綿棒、風船の柄の使用を2021年までに禁止するEU指令案を、賛成573、反対53、棄権34で可決した。今後、EU上院の役割を果たす加盟国閣僚級のEU理事会での審議に移る。同法案は、海洋プラスチックの原因となっている漁具とたばこフィルターについても回収体制を強化する内容を盛り込んだ。生分解性プラスチックの中でも、分解性が弱い「酸化型生分解性プラスチック」も禁止品目に盛り込まれた。
欧州委員会は今回の法案を5月に提出。今回、禁止品目として盛り込んだプラスチックは、海洋プラスチックの70%以上を占めるという。欧州委員会と欧州議会は、禁止対象品目については、代替品目が市場に普及しているため禁止できると判断した。
禁止品目では一部禁止除外されるものもある。食器については、教育機関や医療機関に限りよりスムーズな移行を進めるため2023年まで禁止開始を遅らせる。酸化型生分解性プラスチック、ポリエステル製食品包装製品については、欧州委員会の原案では禁止品目ではなかったが、欧州議会で追加された。酸化型生分解性プラスチックについては、英エレン・マッカーサー財団が主導する「ニュー・プラスチック・エコノミー」が2017年11月5日、酸化型生分解性プラスチックの廃止を求める共同宣言「Oxo statement」を発表していた。酸化型生分解性プラスチックは、日本ではエコ商品として宣伝されているが、EUでは禁止対象となってきた。
【参考】【国際】150以上の企業・NGO、酸化型生分解性プラスチックの廃止を求める共同宣言発表(2017年11月28日)
今回禁止されていないプラスチック製品についても、2025年までに25%以上削減することを盛り込んだ。該当品目には、プラスチック製飲料カップ、フタ、たばこフィルター、食品包装ラップ。プラスチック製飲料カップは医療用途のものは対象としない。欧州委員会原案では、レジャー用の風船も対象だったが、欧州議会は対象から外した。
【参照ページ】Plastic Oceans: MEPs back EU ban on throwaway plastics by 2021
【法案】Reduction of the impact of certain plastic products on the environment
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