環境省は11月5日、外国政府によるプラスチック廃棄物の輸入規制等に係る影響を測るため、都道府県、政令指定都市、産業廃棄物処理事業者に対し実施したアンケート調査結果を公表した。調査は今回で3回目。海外での輸入規制を原因とした不法投棄は、現時点では確認されていないものの、国内での処理量が増加していることがあらためて明らかとなった。
アンケート結果の回答率は、都道府県と政令指定都市は100%、産業廃棄物処理事業者は30.6%(605社のうち185社)だった。都道府県と政令指定都市からの回答では、プラスチック廃棄物等の保管量が増加したが16.7%、保管基準違反発生が4.0%あった。不法投棄事案は、現時点では確認されていないものの、外国政府による輸入禁止措置による影響を踏まえて、既に対策を講じている、あるいは対策を検討している必要を感じている自治体が34.2%(前回は41.0%)。対策の必要な状況にある自治体は関東と中部に多い。
処理事業者からの回答では、保管量が増加したが43.7%で、増加量は「1割から2割」が最も多かった。最終処理での処理量では増加が22.2%の一方、変化なしが70.4%。焼却等の最終処理は設備容量の限界があるため、保管の状態で滞留していることがわかる。保管量については、増加したが35.1%。前回では増加したが46.1%あったが、前回からさらに増加したのか、輸入規制前より増加したのかが、調査からは判別しづらく、解釈が難しい。処理料金では、68.0%が値上げしていた。
環境省は目下、市町村に対し、ごみ処理施設等での廃プラスチック類の受入れを積極的に検討するよう依頼している。また9月に、優良認定処分業者での保管量の上限を14日分から28日分に引上げ、優良認定業者による処理を推進している。加えて、プラスチックの資源循環も思案中。
【参照ページ】外国政府による廃棄物の輸入規制等に係る影響等に関する調査結果
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