製薬世界大手スイスのノバルティスは11月13日、サブサハラ・アフリカ地域の患者に対する医薬品アクセスを拡大するため、同地域の事業KPIを財務指標から医療アクセス指標に変更すると発表した。社会的ビジネスモデルに転換することで事業拡大を目指す。
アフリカでは、世界の疾病者では世界全体の約25%を占める一方、医療関係者は世界全体の3%、医療支出では1%しかなく、医療にアクセスできない人が世界で最も多い地域。そのためアフリカでの医療システムは、NGOや寄付に依存している現実がある。
ノバルティスは今回、アフリカでは医薬品アクセスを重視させるため、従来置いていた売上や利益等の事業KPIから離れ、同地域での医薬品アクセス高めるためのイノベーションや医療制度の確立に関するKPIに切り替えると表明した。そのため、政府やNGOとの連携を拡大する。新KPIは、アフリカの所得階層の各層においてアクセスを高められるよう設計していく考え。そのため、所得層毎に異なる価格帯の製品投入や、低価格戦略の構築、ソーシャルビジネス・モデルでの事業拡大を進める。
事業展開を進めるため、組織体制も変更する。サブサハラ・アフリカ向けの事業は、ノバルティスグループのジェネリック医薬品子会社サンド、ノバルティスの創薬イノベーション部門、ノバルティスのソーシャルビジネス部門から社員を集め、混成チーム「Global Health SSA」を結成。加えて、臨床チームを拡大し、R&Dから当局認可、上市までのパイプライン期間を短縮していく。
ノバルティスは、アフリカ地域では、マラリアやハンセン病等の感染症、鎌状赤血球症(SCD)、心臓疾患、がん等の非感染症等で大きな存在感がある。マラリア感染地域では9億件以上の投薬を実施し、そのうち小児用は3.8億件。政府との官民連携や、病院への臨床試験支援等も行っている。
【参照ページ】Novartis announces new strategy to provide innovative medicines to more patients in sub-Saharan Africa
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