中国IT大手アリババ・グループの研究機関「阿里巴巴達摩院(Alibaba DAMO Academy)」は4月22日、自動運転レベル5の「完全自動運転」に向け、世界初のハイブリッド型走行テストシステムを開発したと発表した。実測データにデジタルでの条件追加を組みわせることで、過酷な悪条件シーンのシミュレーションをわずか30秒で実施できるという。
米シンクタンクのランド研究所によると、自動運転を実現するには、177億kmの走行テストデータを蓄積する必要があり、100台の車で時速40kmで毎日走行しても500年かかってしまう。そのため、バーチャルシミュレーションを活用することが不可欠となっている。しかし、従来型の完全バーチャル・シミュレーションでは、走行テストを素早く実施できるが、過酷な悪条件シーンの学習が不十分になるという問題がある。また、極端なシーンを設定するには、1ヶ月かかる場合もあり、課題となっていた。
そこで阿里巴巴達摩院は今回、実測データを基に、過酷な悪条件シーンを再現する変数をバーチャルに追加する機能を開発し、ハイブリッド型の走行テストシステムを開発。雨や雪、夜間の照明の不調等の特殊なシーンの構築と走行テストが30秒以内に完了できるようにした。サポートされるシーン構成の数は数百万にもなるという。
中国では、ファーウェイ(華為技術)、テンセント(騰訊)、百度もすでに自動運転シミュレーション市場に参入しており、中国では自動運転に向けた体制が一気に加速している。
【参照ページ】阿里首发自动驾驶混合式仿真路测平台:可日测超800万公里
【画像】The Paper
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