
米連邦最高最高裁場所は6月18日、トランプ政権が廃止を掲げていた「若年移民に対する国外強制退去の延期措置(DACA)制度」について、廃止は違法との判断を下した。判決は、判事9人のうち、違法5人、合法4人との判断で、連邦政府が敗訴した。
DACA制度は、前オバマ政権が2012年6月に導入した移民政策。米国内に2007年6月以前に、16歳未満で入国した若年不法移民に対し、滞在・就労許可を与える制度。但し、重犯罪を犯している場合は対象外となる。独立系シンクタンクのピュー研究所の試算によると2012年時点で制度対象者は170万人いたという。米国ではDACA制度で法的地位を与えられている人を「ドリーマー」と呼ぶ。
オバマ大統領は2014年11月にDACA制度を拡大し、DACA制度の親にも滞在・就労許可を与える「DAPA制度」に関する大統領令を発令したが、テキサス州等の26州が違法として連邦政府を提訴。2016年6月に、連邦最高裁判所に賛成・反対同数の判決で結論が出せず、連邦高等裁判所の違法判断が最終決定となり、DAPA制度は廃止されたが、リベラル州と保守州の間で意見が二分する状態となった。
反移民政策を掲げるトランプ大統領は、就任直後の2017年6月にDACA制度を段階的に廃止すると表明。それに対し、リベラル州の州知事や、アップル、マイクロソフト等の企業も廃止への反対を表明し、訴訟が相次いだ。その後トランプ大統領は、連邦議会で正式に廃止法を制定させるため、廃止を6ヶ月間延期することを決定したが、連邦議会は最終決定をできないまま、2018年3月にDACA対象者の法的地位が失効した。しかし連邦地方裁判所では、廃止は違憲とする判決も出たため、裁判の行方が見守られていた。
今回の連邦最高裁の判決は、DACA制度廃止は、連邦行政手続法が禁止している「恣意的・専断的(arbitrary and capricious)」に該当すると判断。違法と結論づけた。
一方で、連邦最高裁判所は6月25日、難民申請者に対する強制送還に関する裁判では、合憲7、違憲2で、連邦政府が勝訴した。同裁判所では、難民申請者に対する1次スクリーニングで不適格とされた者に対し、迅速に強制送還の最終判断を下せる制度を定めた1996年制定の法律についての違憲性が問われたもの。同制度は、以前は活用されることが非常に少なかったが、オバマ政権が積極活用を開始。トランプ政権がさらに活用を拡大したため、違憲性が問われていた。
【参照ページ】DEPARTMENT OF HOMELAND SECURITY ET AL. v. REGENTS OF THE UNIVERSITY OF CALIFORNIA ET AL.
【参照ページ】DEPARTMENT OF HOMELAND SECURITY ET AL. v. THURAISSIGIAM
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