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【日本】2020年度の原発賠償負担金2.4兆円。廃炉円滑化負担金4700億円。経産省承認

 経済産業省は7月22日、原子力発電事業者10社から申請のあった賠償負担金と、原子力発電事業者7社から申請のあった廃炉円滑化負担金の申請を承認したと発表した。

 賠償負担金と廃炉円滑化負担金は、東日本大震災の後に制定された原子力損害賠償・廃炉等支援機構法に基づき、国が大手電力会社から徴収している費用。賠償負担金は、大規模な原子力損害が発生した場合に支払う賠償費用の事前積立金として課している制度だが、現時点では実質的に東京電力の福島第一原子力発電所事故の被害者への賠償金支払のために大手電力会社が費用負担している形になっている。経済産業省は、本来用意しておくべきだった事前積立を事後に請求しているという理屈で、全ての電力会社に費用負担を強いている。

 一方の廃炉円滑化負担金も同様に、原子力発電所を将来廃炉にする際の資金を積立てておく制度として導入されたが、実質的には東京電力の福島第一原子力発電所の廃炉を資金的に支えるものとして活用されている。

 賠償負担金と廃炉円滑化負担金は、沖縄電力を除く全ての電力管区の大手電力会社に課されているが、費用負担分は全て、送電網使用料の「託送料金」の形で電気料金に上乗せし、全電力使用者に費用転嫁することが認められている。負担金の課金対象が、各電力会社の送電子会社になっている背景には、そのような理由がある。今回の賠償負担金合計2.4兆円と、廃炉円滑化負担金合計4,700億円は全額、電気料金を支払う消費者や企業の負担となっている。

 因みに、再生可能エネルギーの推進のために導入されている固定価格買取制度(FIT)を支えるための「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、2019年度の総額は2.4兆円だった。

賠償負担金

北海道電力ネットワーク500億円
東北電力ネットワーク1,425億円
東京電力パワーグリッド9,221億円
中部電力パワーグリッド2,400億円
北陸電力送配電483億円
関西電力送配電6,257億円
中国電力ネットワーク730億円
四国電力送配電945億円
九州電力送配電2,438億円

廃炉円滑化負担金

東北電力ネットワーク615億円
東京電力パワーグリッド1,646億円
中部電力パワーグリッド69億円
北陸電力送配電7億円
関西電力送配電1,141億円
中国電力ネットワーク91億円
四国電力送配電573億円
九州電力送配電598億円
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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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