INPEX(旧・国際石油開発帝石)は、ベネズエラで保有していた2つの石油・ガス採掘権益を現地のスクレ・エナジー・グループに売却した。英紙ロイター通信が8月29日、報じた。
INPEXは、グアリコ州で天然ガスと石油の採掘事業を、ベネズエラ国営石油PDVSAと合弁で運営している。今回売却したのは、グアリコ州での天然ガス採掘企業Gas Guaricoの権益70%と、石油採掘合弁会社Petroguaricoの権益30%。残りはPDVSAが権益を保有している。INPEXは同権益を2006年に取得していた。
ベネズエラに対しては現在、米政府が、ニコラス・マドゥロ大統領の追放を目的としたPDVSAへの制裁を実施。それにより、日本企業も日米関係の観点から、ベネズエラの権益を手放す動きにあるとみられている。ベネズエラでは、ガス事業では民間企業が権益の50%以上を保有できるが、石油事業では過半数をPDVSAが保有することが義務付けられている。
日本企業では、2010年には、オリノコ川流域東部のカラボボ鉱区プロジェクト3(ブロックC2 South、C3 North、C5の3鉱区)の開発権者に指定され、PDVSAの子会社CVPが60%、シェブロン34%、日本コンソーシアム「日本カラボボ石油」5%、スエロペトロール1%で特別目的会社(SPC)「Petroindependencia」を設立。日本カラボボ石油の出資構成は、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)49%、INPEX25.55%、三菱商事25.45%だった。日本カラボボ石油は6月には、保有していた5%全ての権益も売却済み。
海外企業でも、仏トタルエナジーズと、ノルウェーのエクイノールは、PDVSAとの合弁企業Petrocedenoから撤退済み。
スクレ・エナジー・グループは、経済制裁下での経済政策として打ち出した規制緩和により、ベネズエラで成長している民間企業。エクアドルの石油事業権益を持つ。また、またロイヤル・ダッチ・シェルがPDVSAとの合弁事業Petroreginal del Lagoで保有していた権益40%を売却した仏Maurel et Promの一部権益も保有している。
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