グリーンソフトウェア財団(GSF)は1月10日、ソフトウェア稼働での省エネを実現するプログラミングを実行するための「GSFソフトウェア・カーボン・インテンシティ(SCI)仕様」とソフトウェア開発ツール「Carbon-aware-sdk tooling」に関する白書を発表した。UBSとマイクロソフトがプロジェクトを主導した。
【参考】【国際】マイクロソフトとアクセンチュア、サステナビリティ支援で提携。P&Gの製造DXも(2022年6月16日)
グリーンソフトウェア財団(GSF)は、2021年に発足。ソフトウェア稼働での省エネ実現という概念は、マイクロソフトの社内から生まれ、「グリーンソフトウェアエンジニアリング原則」を確立。それを業界全体に広げるために、グリーンソフトウェア財団が誕生し、他にもGitHubやアクセンチュアがステアリング・コミッティ・メンバーを務めている。またNTTデータ、VMware、ケリング、ゴールドマン・サックス、マスターカード、インテル、ボストンコンサルティンググループ等も加盟している。
今回の白書は、UBSのリスクモデリングシステム開発で実際に省エネ型のプログラミングを行った事例を基にしている。プログラムの開発では、マイクロソフト、UBS、WattTimeの3社が、GSFの下で提携。初のMVP(minimum viable product)を実装した。
具体的には、UBSのリスクモデリングシステム「Advanced Compute Quantum Analytics(ACQA)」に、カーボンアウェアの機能を実装。同MVPでは、24時間以内にワークロードをタイムシフトさせ、電力系統で二酸化炭素排出係数の少ない時間帯にワークロードを処理することを狙った。排出係数の低い時間帯の把握では、WattTimeのテクノロジーを活用した。
タイムシフトの具体的な仕組みは、まず、UBSとマイクロソフトは、carbon-aware-sdkを使用し、ACQAからAzure Batchワークロードの実行におけるタイムシフトの影響を検証するというもの。過去の係数実績を比較対象とし、最適な排出係数の時間帯を決定するという手法を採った。
現段階では、排出係数の測定と比較までが試験実装されており、ジョブ自体の意図的な遅延は今後実装を予定している。さらに、最も排出係数の少ない地域を選択するロケーション選択機能の開発・実装も検討していく。
【参照ページ】CARBON-AWARE COMPUTING WHITEPAPER - HOW UBS SUCCEEDED IN MEASURING AND REDUCING CARBON EMISSIONS OF THEIR CORE RISK PLATFORM
【参照ページ】Carbon-aware computing: Measuring and reducing the carbon footprint associated with software in execution
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