
消費財世界大手英ユニリーバのハイン・シューマッハCEOとパトリシア・エスピノサ前国連気候変動枠組条約事務局長は9月5日、9月26日に開催される国連総会に向け、各国政府と企業に対する声明を発表。1.5℃に整合した野心的な国別削減目標(NDC)の策定や、民間投資への適切な支援、企業のカーボンニュートラル化の機会を支援する政策枠組みを提供するよう呼びかけた。
両氏は、気候変動は全ての国が向き合う必要のある共通課題であり、対策には企業と政府の協力が必要と強調。NDCには、温室効果ガス排出削減に関する野心的な目標とコミットメント、森林の保全と回復に関するコミットメント、再生可能な農業慣行への移行と維持を支援する目標、施策、報奨制度、化学原料での再生可能資源やリサイクル資源の移行を加速する戦略を含めるべきとした。また企業CEOに対しては、検証可能な1.5℃目標に沿った気候変動対策と投資計画のもと、同NDCを支援すべきとした。
声明の経済的根拠としては、ニコラス・スターン・ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)教授による気候変動経済学に関する分析を挙げ、気候変動対策を行わない場合のコストは、対策を行う場合のコストよりもはるかに高くなることが明らかになっていると指摘。地球の気温上昇を1.5℃に抑えることができれば、気候変動による世界経済の損失は約3分の2に減少すると語った。
ユニリーバはすでに、今後3年間で1.5億ユーロ(約240億円)を製造工程のカーボンニュートラル化に投資し、2030年までに10億ユーロ(約1,580億円)を気候変動、自然環境、サーキュラーエコノミー関連プロジェクトに投資することにコミット。しかし、単独企業のアクションでは必要な変化を生み出せず、官民一体でのアクションの必要性を強調した。
【参照ページ】Addressing the climate crisis: a unified approach from business and government
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