【国際】PCAF、追加ガイダンス案公表。資金使途特定型やサブソブリン債、特約再保険等

　投融資カーボンフットプリント算出基準策定機関Partnership for Carbon Accounting Financials（PCAF）は12月3日、金融での温室効果ガス排出量算定ルールに関し、追加ガイダンス案を2つ公表した。2025年2月28日までパブリックコメントを募集する。

　PCAFでは、投融資カーボンフットプリント「Financed Emissions（ファイナンスド・エミッション）」をパートA、証券事業カーボンフットプリント「Facilitated Emissions（ファシリテーティド・エミッション）」をパートB、保険引受カーボンフットプリント「Insured Emission（インシュアード・エミッション）」をパートC、と呼称している。

　今回公表した1つ目は、パートAの対象アセットクラスの追加。新たに、ブリーンボンド等の資金使途特定型ファイナンス（Use of Proceeds accounting）、証券化商品及びストラクチャード商品、サブソブリン債の3つについて、ファイナンスド・エミッションの算定ルールの案を提示した。

　さらにパートAに関し、ファイナンスド・エミッションでの削減貢献量（Avoided Emission）とそれに付随する将来予測排出量指標（EER）の算定ガイダンスの案も発表した。アセットクラス全体での報告手法を整理した。

　他に、現行の算定方法で、EVIC（現金を含む企業価値）を分母に排出量の割当を計算するアプローチの不具合に関するディスカッション内容も掲載。EVICの変動が、事業ローンや非上場株式でのファイナンスド・エミッションに与える影響を重点的に議論している。さらに、IFRS財団の「IFRS S2」に合わせるため、融資未実行残高のファイナンスド・エミッションの算定方法案も示した。

　2つ目は、パートCの対象アセットクラスの追加。プロジェクト保険と特約再保険（Treaty Reinsurance）での算定ルール案を示した。特約再保険は、最保険契約の1つで、他に、任意再保険（Facultative Reinsurance）がある。

　同ガイダンスの策定を担うPCAFのグローバル・コア・チームの構成メンバーは現在、みずほフィナンシャルグループ、バンク・オブ・アメリカ、HSBC、モルガン・スタンレー、ING、オーストラリア・コモンウェルス銀行、イタウ・ウニバンコ、ノルデア・グループ、スイス再保険、ピムコ、NWB銀行、EIG、Metrics Credit Partners、Phoenix Group。

【参照ページ】PCAF Launches Public Consultation on New Methodologies for the Global GHG Accounting and Reporting Standard

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所