
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の三菱UFJ銀行と、NTTデータは6月20日、国内半導体サプライチェーン強靭化に向けたプラットフォームの実現を目的とした検討に関する基本合意書を締結したと発表した。
半導体産業は、データ社会を支える各産業や社会生活の基盤としての役割だけでなく、経済安全保障の観点でも重要性が増している。そのため、サプライチェーンの強靭化は国内半導体産業における重要テーマの1つ。
半導体産業では、需要変動が激しくサプライチェーンが複雑なため、需要予測の難しさや在庫リスクの高さから、生産能力を増強したくとも投資判断が難しい。また、サプライチェーンの全体像把握・可視化が進んでおらず最適化が遅れており、環境規制への対応については個社の取り組みでは限界がある等、様々な課題が存在する。課題解決に向けて、産官学を巻き込んだ業界横断的な取り組みが求められている。
NTTデータは2017年より、サプライチェーンにおける企業間や業務プロセス間での情報活用を推進するプラットフォームである iQuattroを提供。サプライチェーン最適化・高度化を目指すためのプロジェクトを支援してきた。
三菱UFJ銀行は2024年4月、「半導体バリューチェーン推進室」を設立し半導体産業全体に貢献する体制を強化。2024年11月には、ふくおかフィナンシャルグループと半導体産業基盤強化に関する基本合意書を締結し、2025年3月に福岡県で開催した「九州半導体フォーラム」にて、サプライチェーン強靭化プラットフォーム構想の検討を進める意向を表明した。
今回の合意では、三菱UFJ銀行のファイナンス機能とNTTデータのITサービス・プラットフォーム機能の強みを掛け合わせ、同プラットフォーム構想の実現に向けた検討を実施。初期は九州地域における半導体製造装置のサプライチェーンが対象。
具体的には、サプライチェーンの透明性を確保するための可視化機能とファイナンス支援機能を提供し、データドリブンな意思決定によって機会損失や過剰投資を抑制、将来動向の予測を可能にすることで、サプライチェーンの変革を推進する。
(出所)三菱UFJ銀行
2025年度は今回の検討を踏まえて、半導体関連企業のサプライチェーンを対象にしたPoCを検討。産官学や金融機関の各種ステークホルダーと協調することで、同構想を業界横断的な取り組みに広げていく予定。将来的には、日本全国、グローバルへ展開することで、国内半導体サプライチェーンの強靭化を実現するとともに、国内半導体産業の競争力向上に貢献することを目指す。
【参照ページ】国内半導体サプライチェーン強靭化に向けたプラットフォーム構想を始動
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら