国際環境NGO国際自然保護連合(IUCN)は9月3日、2021年会合をオンラインで開催し、絶滅危惧種をリストアップした「IUCNレッドリスト」を更新した。9月4日には、マグロ4種の個体数が回復してきていることを確認し、各々絶滅危惧のカテゴリーが緩和された。
今回の結果では、ミナミマグロは「絶滅危惧IA類」から「絶滅危惧IB類」に1ランク緩和。大西洋クロマグロが「絶滅危惧IB類」から「軽度懸念」に3ランク緩和。太平洋クロマグロは「絶滅危惧II類」から「準絶滅危惧」に1ランク緩和。ビンナガマグロとキハダマグロは「準絶滅危惧」から「軽度懸念」に1ランク緩和した。特に太平洋マグロは、最新の評価データと評価モデルが確立したことが大きな要因という。
一方、メバチマグロは「絶滅危惧II類」のまま。カツオも「軽度懸念」のまま。
但し、地域ごとには大きな偏差があり、地中海由来の大西洋クロマグロ東部系群は、過去40年で22%以上増加。しかし、メキシコ湾で産卵する小型の大西洋クロマグロ西大西洋系群は同期間に半分以上も減少している。キハダマグロはインド洋で過剰に漁獲され続けているという。
IUCNレッドリストの今回の更新では、世界のサメ類とエイ類の包括的再評価も実施。それによると、37%が絶滅危惧であり、世界の海洋の多くで効果的管理措置が欠けていることを示している模様。絶滅危惧のサメとエイはすべてが乱獲の対象。また31%が生息環境の喪失と悪化の影響を被っており、10%が気候変動の影響を受けているという。英政府は5月12日、中華料理の高級食材として知られるフカヒレの輸出入を禁止する政策を発表し、法制化手続きを開始した。
今回のレッドリストには、138,374種が掲載されており、そのうち絶滅の脅威に晒されているのは38,543種。例えば、コモドオオトカゲは今回、「絶滅危惧II類」から「絶滅危惧IB類」に引き上げられた。今後45年間で、世界的な気候変動とそれに伴う海面上昇により、コモドオオトカゲの好適生息環境が今後45年間で少なくとも30%減少すると予測されている。
【参照ページ】海洋生物への圧力が増大しているにもかかわらず,マグロ類は回復しつつある- IUCNレッドリスト
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