
欧州銀行連盟(EBF)、国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)、Net-Zero Banking Alliance(NZBA)は7月、欧州委員会に対し、同委員会が2月に発表した「クリーン産業ディール」を進めるための6つの提言を通知した。クリーン産業ディールでは、今後2年をかけて具体的内容の策定・実行が計画されている。
【参考】【EU】欧州委、「クリーン産業ディール」発表。再エネ・電化拡大。低炭素素材需要も喚起(2025年2月28日)
今回3団体は、欧州委員会が2030年の温室効果ガス排出量を削減するためには年間1.24兆ユーロ(約220兆円)のファイナンスが必要となり、クリーン産業ディール政策が事業としての予見可能性を高めることに期待感を示した。
提言の1つ目は、中小企業(SME)に対する革新的な金融支援の提供。グリーンローンやサステナビリティリンク型融資商品の開発、信頼できる移行計画(トランジションプラン)策定をサポートするアドバイザリーサービス、集約型プロジェクトファイナンス・プラットフォームや簡素化された自主報告制度、ベンチャーデットを打ち出した。
2つ目は、発展途上の技術に対する「グリーンプレミアム報酬」の支払。EU排出量取引制度(EU-ETS)とEU炭素国境調整メカニズム(CBAM)等の既存のカーボンプライシング制度の他、カーボン差金決済(CCfD)、長期的な電力購入契約(PPA)も、「グリーンプレミアム」ギャップを埋めるために重要とした。
3つ目は、保証とブレンデッド・ファイナンス制度の拡大。水素やグリーンスチール等の先駆的なプロジェクトの技術的・市場リスクに対し、銀行が積極的にファイナンスをするには、保証、カウンター保証、ブレンデッド・ファイナンスを拡大することが有効とした。
4つ目は、プロジェクト開発手続の簡素化。特に2025年第4四半期に予定されている「脱炭素化加速法」による許認可手続の簡素化により、プロジェクト期間や関連リスク・コストの削減が可能となると期待した。
5つ目は、産業政策とエネルギー政策の統合。アフォーダブル・エネルギー・アクションプラン、欧州グリッド・パッケージ、再生可能エネルギー技術の導入拡大、脱炭素化インセンティブ等を調整することで、エネルギーコストの削減と大規模な投資を促進するよう求めた。
【参照ページ】Making the Clean Industrial Deal bankable: Recommendations to scale sustainability across EU industry
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