
米ドナルド・トランプ大統領は9月29日、連邦政府機関において「人工知能(AI)」という用語を「スーパーインテリジェンス(SI)」に置き換える大統領令に署名した。またAI開発大手6社が「ホワイトハウスSI協定」に署名した。
【参考】【アメリカ・中国】米中首脳会談、300億ドル相当の優遇関税で合意。AIからSIへ(2026年9月28日)
今回の大統領令は、「現代のAI分野は米国で誕生し、米国の科学者たちがこの分野に初めて名称を付け、その発展の基礎を築いた」としつつ、「米国のイノベーターたちが先駆けて開発している卓越した技術は、「AI」という用語が初めて使われた当時、想像されていたものをはるかに超えている」と指摘。その上で「連邦政府が使用する用語は、これらの技術が持つ変革的な能力と、それらがアメリカ国民にもたらす無限の機会を反映すべきである」とし、SIの呼び名が相応しいと表明した。
同大統領令の具体的な内容としては、SIは合衆国法典第15編第9401条(3)に定義される「AI」という用語に含まれる技術およびシステムと同義とし、「法律で許容される最大限の範囲において」、行政部門及び機関は、行政機関内の公式文書、対外的な広報、ウェブサイト、報告書、政策文書、およびその他の非法定文書において、AIからSIに置き換えるよう命じた。また、同措置を法律にするための検討を科学技術担当大統領補佐官(APST)に命じた。
「ホワイトハウスSI協定」では、SI(AI)を安全かつ顧客や一般市民との信頼関係を築くような形で開発する責任があるとし、4層からなる管理体制と監査することを求めている。
- サイバーセキュリティ、バイオセキュリティ、化学的脅威等の分野において、モデルのトレーニングおよび展開中にその機能と整合性を監視し、モデルが意図しない方法で技術システムに侵入したりアクセスしたりしないことを確保するための堅牢な内部統制を実施する。
- 内部チームに権限を与え、全ての統制、監視、検知が意図した通りに機能していることを確認し、問題があれば是正措置を講じられるようにする。
- 独立した外部監査人または評価者と提携し、統制、監視、検知が意図した通りに機能しているかどうかについて、独立した評価を実施する。
- 取締役会に独立した委員会を設置し、統制を運用するチームや社内外の監査人・評価者からの報告を監督・受領するとともに、特定された問題が是正されることを確保する。
同協定に署名したのは、アルファベット傘下のグーグル、OpenAI、Anthropic、メタ・プラットフォームズ、NVIDIA、xAI。参加企業は定期的に会合を開き、システムの安全性を向上させるための基準およびベストプラクティスを確立することも求められる。また、同協定の法制化を将来検討する可能性についても言及した。一方、今回の措置については、内容の解釈の余地が大きく、罰則もないため、実質的な抑制にはならないとの見方も強い。
AIの安全性についての懸念が高まる中、9月に行われた米中首脳会談では、AIに関する国際ルールを制定することに反対する考えで、トランプ大統領と習近平国家主席は合意している。今回の協定は、法的拘束力のあるルールではなく、企業の自主規範による対応十分との考えを示す狙いがあるとみられる。
トランプ大統領は9月29日、連邦政府AIサイト「America.gov」もリリースしている。
また、メラニア・トランプ大統領夫人は9月21日、第80回国連総会において、子供、親、教師に向けたテクノロジーの活用促進を掲げた「Fostering the Future Together」を発表。9月30日に、Adobe、アマゾン、インテル、Starlink、グーグル、ZOOMの6社との間でパートナーシップを締結している。
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Inaugurates The Era of Super Intelligence
【参照ページ】INAUGURATING THE ERA OF SUPER INTELLIGENCE
【参照ページ】Fact Sheet: President Donald J. Trump Streamlines Access to Government Services Through America.gov
【参照ページ】STREAMLINING ACCESS TO GOVERNMENT SERVICES THROUGH AMERICA.GOV
【参照ページ】Adobe, Amazon, Intel, Starlink, Google, and Zoom partner with First Lady Melania Trump’s Fostering the Future Together
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