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【国際】2015年度のThe Social Progress Indexが公表。社会的進歩への投資は経済成長に欠かせない。 2015/05/11 最新ニュース

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 富裕国、貧困国にかかわらず、人々の生活の質を向上させる最も効果的な方法は、社会的進歩に投資することだ。そう主張するのは、米国を拠点とするNPOのSocial Progress Imperativeだ。同団体は4月9日、2015年度の「The Social Progress Index(社会的進歩指標)」を公表した。同指標は52の項目を通じて社会、環境面における成果を可視化し、世界133カ国をランキング化したもので、世界人口の99%の人々の社会的進歩状況を測定している。

 今回公表された指標では、世界的に「栄養と基本的な医療サービス(Nutrition and basic medical care)」面での成果が最も著しかった一方で、「高等教育機会(Access to Advanced Education)」「生態系の持続可能性(Ecosystem Sustainability)」における進歩状況は低かった。また、社会的進歩の多くの側面は収入とともに改善されるとのことで、今年の指標で1位となったノルウェーなどの富裕国は、低所得国と比較して全体的により良い社会的成果を遂げているとしている。

 今回の結果を受けて、ハーバードビジネススクールの教授で同インデックスの顧問も務めるMichael E. Porter氏は「インクルーシブな成長は経済、社会面双方の進歩を必要とする。印象的なのは、GDPが社会的進歩の唯一の決定要因とは決してならないという点だ。GDPへ執着することによる弊害は今回の指標で明らかだ。各国政府は経済成長の基盤構築のために、経済制度のみならず、社会的進歩にも投資しなければならない」と語った。

 今回の調査の主なポイントは下記の通りだ。

  • 小学校入学率、小児死亡率といった指標を含む「栄養と基本的な医療サービス」において、世界全体で進捗状況は順調に推移している。同分野は過去15年で大きな支援が行われた国連ミレニアム開発目標と重なるところが多い。
  • 他方で、世界全体で最も成果を挙げられておらず、先進国でも苦戦している分野としては「高等教育機会」「生態系の持続可能性」「個人の権利(Personal Right)」「寛容とインクルージョン(Tolerance and Inclusion)」が挙げられる。「生態系の持続可能性」は一人当たりGDPの増加とともに上昇しなくなる傾向があるのに対し、「寛容とインクルージョン」「個人の権利」は一人当たりGDPとの相関が薄い。
  • 社会的進歩指標と経済状況(一人当たりGDP)には正の相関が見られる。社会的進歩指標で1位となったノルウェーの一人当たりGDPは62,448米ドルなのに対し、最下位となった中央アフリカ共和国は584米ドルだった。
  • 同指標で上位5カ国に輝いたのはノルウェー、スウェーデン、スイス、アイスランド、ニュージーランドだ。同5カ国の社会的進歩評価はいずれも近しいが、一人当たりGDPは大きく異なることから、一人当たりGDPの高さは社会的進歩に影響するものの、それが全てというわけではないことを示唆している。

 日本は15位にランクインし、「基本的な人間の欲求(Basic Human Needs)」の領域では「水と衛生(Water and Sanitation)」で最上位を獲得した一方で、「個人の安全(Personal Safety)」については改善の余地が見られた。また、「幸福(Well Being)」の領域では、「基本的知識へのアクセス(Access to Basic Knowledge)」で最上位を獲得した一方で、「生態系の持続可能性(Ecosystem Sustainability)」については課題がある。また、「機会(Opportunity)」の領域では、「寛容とインクルージョン(Tolerance and Inclusion)」において最も改善余地が見られた。

 国別の評価、項目別の評価などは下記から確認可能。また、Social Progress Indexについては2014年に同指標の創始者であるMichael Green氏がTEDトークで講演を行っているので、興味がある方はぜひこちらも見ていただきたい。

【リリース原文】GOVERNMENTS, BUSINESSES & NGOS URGED TO INVEST IN SOCIAL PROGRESS TO “UNLEASH ECONOMIC SUCCESS”
【参考サイト】Social Progress Index 2015
【団体サイト】Social Progress Imperative

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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