米自動車大手のフォードは2月24日、サプライチェーンにおけるCSR強化の一環として、EICC(Electronic Industry Citizenship Coalition:電子業界行動規範)に加盟すると発表した。EICCへの加盟は自動車メーカーとしては初となり、サプライヤーの人権や労働環境といった面でフォードのCSR方針の実現を後押しする。
EICCは電子業界のサプライチェーンにおける社会的責任、労働環境の改善、環境責任の向上に取り組むグローバルイニシアチブで、電子業界17セクターにまたがる110社が加盟している。
今回のEICCへの加盟により、フォードはリスクが高い自社工場およびサプライヤー向上を特定し、少なくともその4分の1以上について監査の実施が義務付けられる。また、フォードは自社の事業運営全体においてEICCの行動規範を遵守し、業界全体としての共通の目標達成に向けて積極的にEICCの手法とツールを導入していく方針だ。
なお、フォードは今後スマートモビリティ事業に注力し、自動運転、モビリティ、コネクティビティといった分野で業界のリーダーになることを目指しており、今後の事業方針を考えればEICCへの加盟は必然の選択とも言える。
フォードのグローバル調達担当副社長を務めるHau Thai-Tang氏は「フォードには、倫理的かつ透明性を重視した責任ある形で事業を展開していくというコミットメントがある。EICCやその他の業界リーダーとの協働により、我々はサプライヤーと共に取り組んでいる人権や労働環境、環境責任といったサステナビリティ関連の課題の解決に向けた施策をさらに改善することができる」と語る。
また、EICCのエグゼクティブ・ディレクターを務めるRob Lederer氏は「フォードをEICCの会員として迎えられることを嬉しく思う。フォードは初めての自動車メーカーの会員であり、我々は協働しながら、フォードならではのグローバルにおける経験とサプライヤーとの関係性を活かし、自動車業界と電子業界との融合を図っていけることを楽しみにしている」と語った。
昨今では自動車業界とIT業界の融合が進んでおり、グーグルをはじめとしてIT業界の大手が自動運転車の開発に取り組むなど、2つの業界の境目はなくなりつつある。こうした流れを考えれば、フォードのように自動車メーカーがEICCに加盟することは自然な選択だと言える。今回のフォードの選択を皮切りに、同様の動きがさらに他の自動車メーカーに広がることを期待したい。
【参照リリース】Ford Reaffirms Commitment to Corporate Responsibility in its Supply Chain, Becoming First Automaker to Join EICC
【企業サイト】Ford Motor Company
(※写真提供:Imran's Photography / Shutterstock.com)
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