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【イギリス】CEO平均報酬は17%減少したが、正規雇用者との格差は129倍。CIPD調査

 英国人材開発協会(CIPD)と英シンクタンクHigh Pay Centreは8月3日、FTSE100企業のCEO報酬に関する分析レポート「Review of FTSE 100 executive pay packages」の2017年版を発表した。両者は毎年このレポートを発表している。同レポートによると、FTSE100の平均CEO報酬は450万ポンド(約6.4億円)で、2015年の540万ポンドより17%減少した。一方、英国正規雇用者の平均年収28,000ポンド(中央値)と比べると依然差は大きかった。

 今年のレポートの要旨は、

  • FTSE100の平均CEO報酬は正規雇用者の129倍。昨年の148倍よりは減少
  • FTSE100のうち60社のCEOは、正規雇用者の年収中央値28,000ポンドの100倍以上の差
  • NGOのLiving Wage Foundationのデータによると、生活に必要な最低限の賃金(Living Wage)を英国で全従業員に支払っている企業はFTSE100のうち約25%しかない
  • FTSE100のCEOのうち女性はわずか6人で、100名のCEOの報酬総額の4%を占める。男性のCEOが平均470万ポンド得る一方で、女性CEO報酬は260万ポンドに留まる

 政府や世論の圧力を受けてC平均CEO報酬が下がったとはいえ、一般的な従業員との格差や、CEO間の男女格差は依然として問題である。短期的・財務的な評価だけではなく、CEOとしてどの程度従業員や社会的責任、説明責任、長期的な価値創造に投資をしたかなど、バランスの取れたCEOの評価・報酬制度が求められる。

 また、FTSE100のCEO間の報酬額の差も若干縮まった。現在100社のCEO報酬の中央値は345万ポンドで、高額報酬トップ25名のCEOの平均が940万ポンドと24%減少した一方、ボトム32名のCEOの報酬は上昇傾向にある。しかし、100社がCEO報酬の中央値を目指すアプローチも、必ずしも格差の縮小にはつながらない。2016年の100社CEO報酬の中央値は、2010年の339万ポンドと比べて高く、また、100社CEOの平均報酬はイギリスの全正規雇用者より132倍とと拡大傾向にある。

 CIPDとHigh Pay Centreは、このような状況を受け、CEOとその他従業員の報酬の中央値を、人事・報酬戦略と合わせて公表すること、従業員代表を報酬委員会に含めること、企業の人事や文化、組織制度に携わる幅広い事柄について取締役会に情報提供できる委員会を設立することなどを提言している。さらに、企業がより長期的な視点で従業員への投資を行うよう、政府による指針の策定も望ましいとした。

【参照ページ】Reality bites: Average FTSE 100 CEO pay packet drops by 17% in the past year

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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