残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)での規制対象物質を検討する「残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC)」の第13回会合が、10月17日から20日までイタリア・ローマで開催され、規制物質の追加勧告が決定された。
残留性有機汚染物質(POPs)とは、難分解性、高蓄積性、長距離移動性、人体や環境への有害性を持つ物質のこと。代表的な物質はポリ塩化ビフェニル(PCB)やDDT。同条約は、POPsを国際的に規制しており2004年5月に発効。POPsの製造禁止、使用禁止、意図しない放出の削減等を定めている。
今回の会合では、主に殺虫剤として使用されるジコホルが製造・使用廃絶の対象物質として追加することが勧告された。最終的には同条約の締約国会議(COP)で決定される。日本では、ジコホルはすでに「化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)」の第一種特定化学物質に指定されており、製造と使用が禁止されている。また農薬取締法においても販売禁止農薬に指定されている。
また、ペルフルオロオクタン酸(PFOA)とその塩及びPFOA関連物質と、ペルフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)とその塩及びPFHxS関連物質については、今後、製造・使用等の廃絶または制限等についての検討対象に加えることで合意された。ペルフルオロオクタン酸とペルフルオロヘキサンスルホン酸は双方とも、フッ素ポリマー加工助剤、界面活性剤等に使われている。
半導体製造用のエッチング剤、レジストとして使われているペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)及びその塩並びにPFOSFについては、現在、例外的な使用が認められているが、2019年の第9回締約国会議(COP9)で例外使用を継続するか評価することがすでに決まっている。今回の会合では同物質についての具体的な検討作業内容とスケジュールを議論し確定した。
【参照ページ】ストックホルム条約残留性有機汚染物質検討委員会第13回会合(POPRC13)が開催されました
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