グリーンボンド・ガイドライン策定国際NGOの英・気候債券イニシアチブ(CBI)と中国中央結算(CCDC)は2月28日、2018年の中国でのグリーンボンド発行状況に関するレポートを発表した。作成にはHSBCも協力した。
同年の中国法人のグリーンボンド発行額は428億米ドル(約4.8兆円)で世界第2位。前年比では12%伸びた。そのうちCBIが環境適格と認めるグリーンボンドは312億米ドル(約3.5兆円)と全体の73%。中国のグリーンボンドには、環境適格性を欠くものが多いと指摘されたこともあったが、資金使途や情報開示等の質の面でも大きく改善したとした。
中国法人のグリーンボンド発行は、国内発行(オンショア)が76%、海外発行(オフショア)が23%、香港法人によるパンダ債(人民元建て債券)発行が1%。オンショアでの内訳は、中国人民銀行が監督するインターバンク市場(CIBM)が60%、上海証券取引所が15%、深圳証券取引所が1%。
国内発行での発行体タイプ別では、金融機関が189.1億米ドルで最多。その後に、事業株式会社53.2億米ドル、その他事業法人32.5億米ドル、MTN26.3億米ドル、資産担保証券(ABS)が20.7億米ドル。ABSの原資産の中身は、再生可能エネルギー関連が36%、リースが16%、信託報酬12%、固定価格買い取り制度(FIT)収益10%、CMBSが8%、電力インフラが6%。
発行体別では、福建省福州市に本社を置く興業銀行が突出。2018年だけで96億米ドル(約1兆円)発行し、世界全体で見ても発行額第2位。そのうち約10%は海外発行だった。海外発行での首位は、中国工商銀行(ICBC)で15.8億米ドル(約1,770億円)。主にロンドン支店が発行を担った。
資金使途別では、交通輸送33%、エネルギー関連28%、水関連12%、不動産9%、廃棄物8%、土地利用7%、気候変動適応3%。
セカンドオピニオン評価機関のシェアでは、EYとデロイトが25%ずつで半分を占める。中財緑融9%、中国節能環保集団(CECEP)8%、連合赤道環境評価8%、サステイナリティクス(Sustainalytics)8%、CICEROが5%。
【参照ページ】New: China Green Bond Market 2018 Report: 中国绿色债券市场 2018: China cements position as a leading green bond market with USD42.8bn issued in 2018.
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