英法律事務所Sackersは9月9日、年金基金のESG投資の意識調査結果を発表した。年金基金の理事は、ESG投資が投資パフォーマンスに寄与するという証拠を欲している一方、ESGを考慮することを重要と考える動きが着実となってきていると分析した。
今回の調査は、年金基金102機関の理事を対象に実施。確定拠出型年金(DC)と確定給付型年金(DB)の双方が対象となっている。DC年金基金については、ESG投資ファンドを初期設定の運用ファンドとするかを論点とした。年金加入者の意識がどこまで各年金基金でのESG投資動向に影響を与えるかについては、DC年金基金では22%が「非常に影響する」、52%が「影響する」と答え、加入者自身が運用ファンドを選択するDBでは加入者の動向が大きなファクターになっていることが明らかとなった。一方、DB年金基金では、「全く影響しない」が25%、「ほとんど影響しない」が34%が過半を超え、「影響する」が38%に留まり、加入者の意向は影響が少ない結果となった。
また、Sackersの分析では、年金基金がESG投資を促進する理由について、加入者の「社会・環境へ配慮したい」という倫理的な理由は二次的なもので、最大の要因はESG投資により投資パフォーマンスを拡大したいというものだった。
ESG投資への取組が十分かという設問では、DB年金基金では「はい」が35%と比較的高かったが、DC年金基金では16%と少なかった。DC年金基金では、課題感が強いことが伺える。ESG投資促進への障壁では、投資パフォーマンスに対する証拠不足が48%が最多だが、半数を切った。他には、時間・資源不足が33%、投資商品不足が28%、投資アドバイス不足が18%だったが、全く障壁はないも25%いた。
【参照ページ】Sackers announces results of ESG survey
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