トルコ憲法裁判所は12月26日、トルコ政府が2017年4月から実施しているウィキペディアへのアクセスブロックを違憲とする判決を賛成10、反対6で下した。政府に対し直ちにアクセスブロックを解除するよう命令した。表現の自由と判断した。
トルコでは2017年、ウィキペディア内に、トルコ政府がシリア反体制派のイスラム国(ISIS)と原油取引をしており、ISISを間接的に資金支援しているとする記述が発生。トルコ政府はウィキペディアに対し削除を求めたが、ウィキペディア側は運営自治の原則と検閲の拒否を表明。それに不満を持ったトルコ政府が、ウィキペディアの全言語ページへのアクセスをブロックした。
トルコ政府によるウィキペディアブロックについては、以前から裁判で争われていた。ウィキペディアを運営するウィキペディア財団は2017年5月、憲法裁判所に解除を訴えたが、下級審で却下。その後ウィキペディア財団は、トルコも加盟国になっている欧州人権裁判所に提訴。同裁判所は、トルコ政府に対し、ウィキペディア・ブロックは欧州人権条約が保護する表現の自由に反し、2020年以降はブロックを解除するよう判断していた。
トルコ政府は、これまでに何度も欧州人権条約から政策変更を求める命令が出ているが、その度に命令を無視し、不法行為の罰金を支払うことで対応してきた。しかし今回、国内の憲法裁判所から違憲判決が出たことで、ブロック解除が実現しそうだ。
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