海外在住米国人の税務アドバイス団体American Overseasは1月13日、オランダの主要銀行が、同国在住の米国人のうち、米納税者番号(TIN)の提出を行わなかった者を対象に、預金口座の凍結を開始したと発表した。蘭銀行大手ABNアムロも対応したと見られる。同対応は、2010年制定の米税法「外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)」に基づき実施。米国は、租税回避のため、海外金融機関の口座への資金隠しを行う海外在住の米国人への規制を強化している。
オランダには現在、租税回避の疑いのかかる米国人が約100人在住していると見られている。同国政府は2019年9月、同国金融機関に対し、米国人への対応を要請。今回の取り組みに至った。FACTAでは、2019年12月31日までに適用該当者に対し、米当局に届出するよう要求していた。同口座の凍結は、一時的なもので、凍結された顧客との連絡を取ることを目的としている。
一方、こうした対応への手間やリスクを回避しようとする商業銀行が、オランダ駐在米国人や同国との二重国籍者との取引を拒否する事態を引き起こしている。同国政府は、欧州各国への参画を呼びかけており、仏金融機関も呼応。また、英国では米国生まれ、英国在住の国民が米内国歳入庁(IRS)への個人情報の引き渡しに反対するなど、欧州各国へも波紋が広がっている。
【参照ページ】INTERNATIONAL INVESTMENT: DUTCH BANKS FREEZING ACCOUNTS DUTCH AMERICANS
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