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【国際】責任ある飲酒国際同盟、アルコール飲料各社の取り組み公表。コミットメントには差も

 アルコール飲料企業の国際業界団体「責任ある飲酒国際同盟(IARD)」は2月25日、アルコール飲料企業各社の取り組みをまとめ、公表した。ペルノ・リカール、カールスバーグ、ハイネケン、モエ・ヘネシー、ABインベブと同社傘下の飲料大手南アフリカSAB、Serengeti Breweries、DB Breweries、アギラビールの9社の事例や、アルコール責任教育協会(AWARE)、ナイジェリア食品・医薬品管理局(NAFDAC)、ナイジェリア蒸留酒製造業者協会等の取組を紹介した。

ペルノ・リカール
 アルコール飲料世界大手仏ペルノ・リカールは、2025年までにブランド、オフィス、生産拠点すべてにおいて、100%再生可能エネルギーに移行すると発表。さらに、科学的根拠に基づく削減目標イニシアチブ(SBTi)の2℃未満シナリオに則り、2030年までに生産拠点の二酸化炭素排出量を30%削減するとした。同社は2010年から2019年までに二酸化炭素排出量を34%削減し、2020年目標をすでに達成済み。

カールスバーグ
 飲料世界大手デンマークのカールスバーグは、二酸化炭素排出量を2015年比30%まで削減し、同社サステナビリティ目標「Together Towards Zero」に向け順調に進捗していると発表した。

 西欧の醸造所29ヵ所は、100%再生可能エネルギーに切り替え済られ。スイスFeldschlösschen醸造所に対し、EV26tトラック20台を投入。2019年には、無責任な飲酒や、水の浪費、職場での事故撲滅に向けた進捗を発表する等、積極的な姿勢を示した。

【参考】【デンマーク】カールスバーグ、4年間でCO2を30%減。石炭火力から再エネへの転換が奏功(2020年2月18日)

ハイネケン
 飲料世界大手蘭ハイネケンのスペイン法人は、グローバルのサステナビリティ戦略「Bringing a Better World」の一環として、インドネシアの発電事業者との長期電力購入契約(PPA)を発表。2020年10月より、同国醸造所全4拠点を100%再生可能エネルギーに移行するとした。PPAにはエルアンディバロ太陽光発電所の新設が含まれ、200人分の雇用を創出予定。

モエ・ヘネシー
 アパレル世界大手仏モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)傘下のワイン・蒸留酒ブランド「モエ・ヘネシー」は、持続可能なブドウ栽培に向け「Living Soils」コミットメントを発表。2020年より除草剤の使用を取り止めるだけでなく、持続可能なブドウ栽培の科学的研究に向け、シャンパーニュ地方の研究センターに2,000万ユーロを投資を行うとした。

ABインベブ
 飲料世界大手ベルギーのアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABインベブ)は、ブロックチェーンを活用した小規模農家の供給証明システムを開発した。これまで同社は、の原料となる麦芽や大麦を輸入せず、地域サプライヤーを活用に積極的に取り組んできたが、小規模農家では、必ずしも収益をすべて享受できておらず、また収穫が高まっても、事業規模が小さいため、金融機関からの信用が得られないことに課題感があった。

 そのため同社は、ブロックチェーン技術で透明性を高め、農家がグローバル企業に供給している実績を証明できるようにすることで、農家は、供給を証明することで、銀行口座の開設が可能になり、事業拡大を支援する。

Serengeti Breweries
 タンザニアの飲料メーカーSerengeti Breweriesは2019年、飲酒運転防止キャンペーン「Don't Drink and Drive」を開始した。バスドライバー、バイクタクシードライバー、歩行者、学生、バーの愛用者を対象に、同国7地域で、ラジオ番組やチラシ、広告等を通じ、交通安全促進を支援。今後さらに対象地域を拡大するとした。

DB Breweries
 飲料世界大手蘭ハイネケンのシンガポール法人傘下ニュージーランドのDB Breweriesは、合法的な血中アルコール含有量(BAC)制限に対する国民の認識調査を実施。運転者75%は、制限を理解していると回答したものの、実際に制限値を正確に回答できたのは22%だったとした。また20%は3杯以上の飲酒後に安全運転できると回答していた。

 同社は、運転手は血中アルコール含有量ではなく、アルコール飲料の本数で許容量を考える健康にあるとし、非常に主観的な尺度で捉えられている現状に警鐘を鳴らした。

SAB
 ABインベブ傘下の飲料大手南アフリカSABは2019年末、安全キャンペーン「#NoneForTheRoad」の拡大を行った。同国では、運輸大臣が交通事故者数削減に向けた抜本的な改革を要請。2018年、祝祭シーズンの交通事故者数は10%減少したものの、血中アルコール含有量制限をゼロに設定する等の更なる取り組みがが必要だとしていた。SABは、同キャンペーンを通じ、ドライバーのBAC制限遵守ではなく、運転前に飲酒しないよう、呼びを行った。

アルコール責任・教育協会
 南アフリカのアルコール責任・教育協会(AWARE)は、成年者がアルコール飲料の販売促進を目にすることがないよう、自主規制ガイドラインを公表。広告規制委員会は、テレビやラジオでのアルコール広告の放送時間や枠を制限し、視聴者の最低70%が成人であると予想される番組のみで広告掲載を可能にするとした。また、アルコール飲料メーカーは、広告が学校等の近隣に設置されないようにし、デジタル広告にも年齢認証メカニズムを組み込むこととなった。

NAFDACおよびナイジェリア蒸留酒製造業者協会
 ナイジェリア食品・医薬品管理局(NAFDAC)およびナイジェリア蒸留酒製造業者協会は、未成年飲酒および大量飲酒に反対する共同キャンペーンの第二期を開始した。1.7億マイラ(約5,030万円)を投資し、テレビやラジオ、看板、公共交通機関、SNS等で教育広告を掲載。責任ある飲酒の促進と未成年飲酒の防止を促進するとした。

アギラビール
 コロンビアのアルコール飲料アギラビールは、ビール瓶の蓋に掲載の同社ロゴを、Uber Eats、KFC、Papa John's、ハードロックカフェ、Cabify等の主要な食品、水、輸送ブランドのロゴに置き換えるキャンペーンを開始した。同キャンペーンは食事、水、家への消費者に食事や水等の重要性について認識させることが目的。同商品の蓋を持ち込むことで、参加企業のサービスで割引が受けられるとした。

 他社と比べると、アギラビールの取り組みについてはマーケティング要素が強い結果となった。ABインベブ等世界大手が、再生可能エネルギー移行に着手し、地域企業も大量飲酒や未成年飲酒に取り組む中、対応の差が明確になってきている。

【参照ページ】Corporate Social Responsibility activations around the world -the IARD Digest- february 2020

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所h

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