国際証券貸借協会(ISLA)は2月27日、同協会のサステナブルファイナンス委員会(ICSF)で検討してきた「持続可能な証券貸借原則(PSSL)」を発表した。空売り(ショート取引)での批判も集める証券貸借においての持続可能な事業慣行のあり方検討してきていた。
今回発表のPSSLは、8つの原則で構成。「整合性」「透明性」「税」「議決権行使」「担保」「空売り」「ステークホルダー関与」「イノベーションの」の8つとなっている。
PSSLは、空売りについては、「金融市場にとって有益」と明言。流動性確保や価格形成、市場の非対称性緩和上、重要な役割を果たしているとした。その上で、持続可能な事業慣行として、空売りを通じたいかなる相場操縦やショート取引の悪用を意図的に促進してはならないとした。
議決権行使については、貸株中は行使できないとしつつ、議決権行使だめのために借株してはいけないことを明確にした。また貸借においては、一定期間返却や譲渡に制限を書けられる権利を全ての当事者が持つべきだとした。また議決権行使については、自ら策定した議決権行使ポリシーに準じて透明性高く実施することを規定した。
整合性では、他の金融関連の原則でも定められているように、持続可能な開発や気候変動、一般的に合意されている責任投資規範を考慮することを求めた。それにより新たな金融イノベーションを進めることができると意義を示した。
税では、証券貸借では実質的所有者の税ポリシーに準拠しなければならないと規定。実質的所有者に対しては、証券貸借をしなかったと仮定した場合に受け取っていたであろう金額以上の額をもとに、租税額を計算すべきとした。
証券貸借中の店舗については、担保資産の設定にESG戦略を適用し、除外リストを作るなどの方針を提示。担保として設定している資産についての配当や債券クーポンの受け取り、議決権の行使などは禁止されるとした。
ISLAは1989年に設立され、現在163社が加盟。サステナブルファイナンス委員会(ICSF)のコミッティー・メンバーは現在、ブラックロック、AVIVA、PGGM、KBCアセットマネジメント、NNインベストメント・パートナーズ、アバディーン・スタンダード・インベストメンツ。またサポーターとして、BNPパリバ等も参加している。
【原則】Principles for Sustainable Securities Lending
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