世界風力会議(GWEC)は3月19日、2019年の世界の風力発電概況をまとめた年次報告書を発表した。2019年の洋上風力発電の新規設備容量は6.1GWと過去最大。2018年から35.5%増加(4.5GW)と、大幅な成長を遂げた。風力発電全体でも、新規設備容量は54.2GWあった。
風力発電の2019年の新規設備容量の国別内訳は、中国だけで43.3%を占める。次いで、米国15.1%、英国4%、インド3.9%、スペイン3.8%。以上5カ国で全体の7割を占める。
2019年末の時点での累計設備容量は621GW。国別内訳は、中国37%、米国17%とこの2カ国で半数を超える。その後、ドイツ9%、インド6%、スペイン4%、フランス3%、ブラジル3%、英国2%、カナダ2%、イタリア2%の順。
洋上風力に限定すると、新規設備容量6.1GWの内訳は、中国39%、英国29%、ドイツ18%、デンマーク6%、ベルギー6%、台湾2%。以上6カ国で約8割に達する。中国が、陸上風力発電だけでなく、洋上風力発電も強化してきていることがわかる。台湾120MWの後は、ポルトガルの浮体式洋上風力8MWと日本の浮体式洋上風力の3MWがある。日本のものは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がイデオルに委託して北九州沖に設置した実証実験機「ひびき」。
洋上風力発電の2019年末累計では、英国33%、ドイツ26%、中国23%、デンマーク6%、ベルギー4%の順。
洋上風力発電の押上げ要因では、太陽光発電やバッテリーを組み合わせる「ハイブリッド型発電所」や、二酸化炭素排出量フリー水素生産のための再生可能エネルギー電力需要増を挙げた。
GWECは、2020年初旬、新規設備容量が76GWとなり、さらに今後5年間では355GWの新規設備容量が生まれると見通した。但し、新型コロナウイルス・パンデミックの影響により、部材の生産や納品の遅れが生じており、当初見通しよりは下がるという感触を伝えた。但し、現時点でどこまで落ち込むかを予想することはできないとし、推定を見送った。
【参照ページ】Record 6.1 GW of new offshore wind capacity installed globally in 2019
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