オランダ代替プロテイン・ベンチャーThe Protein Breweryは11月3日、シリーズAラウンドで2,200万ユーロ(約27億円)を調達したと発表した。デンマーク製薬会社ノボノルディクスを傘下に持つノボホールディングスが主導。これにより同社のエクイティ調達総額は2,600万ユーロ(32億987万円)となった。
The Protein Breweryは、2020年1月にバイオテクノロジー企業であるBioscienZから分社化して設立された企業。BioscienceZは、2010年にオランダで創業。微生物の力を活用した発酵食品の開発を手掛けている。
今回ノボホールディングスとともにThe Protein Breweryに出資したのは、Roquette Ventures(Roquette Group傘下)とUnovis Asset Management。両社とも、植物由来の代替プロテインに関する食品、栄養、ヘルスケア事業を手掛ける企業に投資を行っている。
The Protein Breweryが調達した資金は、研究開発、事業運営費、同社が代替肉として開発している商品「Fermotein」の生産規模拡大に充当する。Fermoteinは、キャッサバ、トウモロコシ、ジャガイモ、テンサイ、さとうきびを主成分とする植物性タンパク質食品。The Protein Breweryが独自に有する微生物の技術を活用し、Fermoteinに含まれる栄養価やアミノ酸組成を本物の肉の状態に近づけることに成功した。
同製品を生産するために必要な土地や水の量は、牛肉と比べ、土地は99%減、二酸化排出量は97%減、水は95%減。現在、世界の食品市場規模が6.5兆米ドルと巨大な中、代替プロテイン市場はすでに300億米ドルにまで拡大。Fermoteinは、市場の中でよいポジションを築いているという。
Fermoteinは、代替肉の製品としても乾燥パウダーとしても販売していく考え。乾燥パウダーは、パスタ、パン、プロテインバー、シェーク、チョコレート、アイスクリーム等の添加物として活用されるが、米国では当局の事前許認可が必要となる。そのため、米国と欧州ではすでに許認可を申請済みで、2021年には米国で、2022年には欧州で認可が下りる見通し。
【参照ページ】The Protein Brewery raises € 22 million Series A investment
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