金融インデックス開発大手米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスは12月10日、米トランプ大統領が11月12日に国防総省が「中国共産党軍事企業」リストで特定している上場企業に対する投資を禁止する大統領令に署名したことに基づき、中国企業10社を同社の全ての株式インデックスから除外すると発表した。中国政府は今回の措置に反発している。
トランプ大統領は11月12日、中国政府が「軍民融合戦略」の下で中国の企業、大学、研究所等の民間部門が開発した先端技術を人民解放軍の近代化のために利用していることに対抗するとして、国際緊急経済権限法、国家非常事態法、合衆国法典第3編第301章等に基づき、「中国共産党軍事企業」に対する直接及びデリバティブを通じた投資を2021年1月11日から禁止する大統領令に署名。「中国共産党軍事企業」は、国防総省が、1999年国防授権法1237条に基づき作成しているリストに入っている企業と定義した。同リストには現在35社が特定されている。
【参考】【アメリカ】国防総省、中国企業4社を注視リスト入りで合計35社に。FTSEは世界インデックスから除外(2020年12月6日)
今回S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが株式指数から除外する10社は、中国中車(CRRC)、中国交通建設(CCCC)、中国化学工程集団(CNCEC)、中国核工業建設(CNECC)、中国航天、中国建築国際集団、中国鉄建(CRCC)、曙光(Sugon)、杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)、中芯国際集成電路製造(SMIC)。A株、H株、ADR(米国預託証券)が全て対象となる。除外執行日は12月21日より前。特に中国株式指数には大きな影響を与える。
さらに債券でも、上記10社の他、中国航空工業集団、中国航天科工集団、中国電子(CEC)、中国電子科技集団(CETC)、中国広核集団(CGN)、中国化工集団(CNCC)、中国核工業、中国船舶重工集団(CSIC)、中国南方工業集団(CSGC)、中国船舶集団(CSSC)、中国長江三峡集団が、債券インデックスから除外される。
米証券取引所ナスダックも12月11日、同様の理由で、中芯国際集成電路製造(SMIC)、中国交通建設、中国鉄建、中国中車の4社の株式と債券を、12月21日付でインデックスから除外すると発表した。MSCIも同様の措置を取る予定と発表している。
【参照ページ】Executive Order on Addressing the Threat from Securities Investments that Finance Communist Chinese Military Companies
【参照ページ】S&P Dow Jones Indices’ Consultation on the Executive Order Prohibiting U.S. Transactions in Certain Chinese Companies Results
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