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【アメリカ】ダウ、生分解あるポリマーコーティング開発に成功。紙製の代替素材に追い風

 アメリカ化学会(ACS)は8月26日、プラスチック素材への代替で課題となっていた耐久性について、生分解のあるポリマーコーティングの開発に成功したと発表した。米化学大手ダウが研究資金を提供し、共同研究を行った。ACSの秋季大会で、クレイトン州立大学のマシュー・カーター准教授が研究成果を発表した。

 現在、プラスチック容器・包装を、紙製の容器・包装に転換する動きが強まっているが、現在の使い捨て紙製品の耐油・耐油性コーティングには、フルオロカーボンやポリオレフィンが使用されていることが多い。これらのポリマーは、重合時に形成される安定した炭素-炭素結合により、堆肥化ができない。

 そこで今回の共同研究チームは、フリーラジカル重合の技術に着目。すでに環状ケテンアセタールやビニルモノマーを用いたフリーラジカル重合は、学会でも発表されていたが、使用されていた有機溶媒を、ダウは水に切り替えることに着手。環状ケテンアセタールモノマーは水中では不安定なため、課題が大きかったが、研究者たちは、pH、温度、モノマー濃度等の反応条件を調整し、ソリューションを追求した。

 その結果、環状ケテンアセタールの一つである「2-メチレン-1,3-ジオキセパン」と酢酸ビニルを混合し、エステル結合を持つポリマーの生成に成功。このポリマーの水性エマルジョンを紙に塗布し、乾燥させ、耐久性を実現。さらにこのポリマーは、水中において、pH中性ではかなりゆっくりと、高いpHでは素早く分解することができる。

 現在、研究者たちは、工業的に適切な条件でコーティングの分解性を評価する作業を開始。これまでのところ、産業用コンポスターで使用される微生物が、排水中のポリマーの生分解に役立つことが確認されている。

【参照ページ】Degradable coatings for compostable paper food packaging block grease and oil

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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