東京電力ホールディングスと中部電力の折半合弁会社JERAは9月27日、フィリピン電力大手アボイティス・パワーの株式約27%を、約15.8億米ドル(約1,740億円)で購入したと発表した。フィリピンの発電のカーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)化を支援する。JERAとしては海外投資額で過去最大。日本企業によるフィリピン投資でも最大規模。
アボイティス・パワーは、フィリピンの大手財閥アボイティス・エクイティー・ベンチャーズ傘下で、フィリピン証券取引所に上場している。設備容量は計画中も含め4.6GW。目下9.2GWまで増やす計画を持っており、火力発電と再生可能エネルギー発電の比率も現在の75対25から50対50にシフトさせる方針。
JERAは今回の買収で、取締役2人を派遣。アボイティス・パワーの出資構成は、アボイティス・エクイティー・ベンチャーズが525、JERAが27%、その他が21%となる。
また、Aboitiz Power Corporationのガス火力発電活用を進めると発表。天然ガスの調達から発電までを一貫して行う「LNG to Power」プロジェクトを共同開発し、火力発電での技術協力もする考え。LNG調達の協業に関する基本合意書を締結した。
フィリピンでは、ガス火力発電は現状ゼロ。JERAとしては、ガス火力発電の導入を進めるとともに、JERAが技術開発している水素やアンモニアの混焼への転換も視野に入れる。
またJERAは10月1日、中東拠点としてドバイに、JERA Middle East & Africa Managementを設立したことも発表した。ガス火力発電と再生可能エネルギー、クリーン燃料生産で、事業拡大を探る。
【参照ページ】フィリピン共和国の脱炭素化に向けた大手電力会社Aboitiz Power Corporationへの出資について
【参照ページ】中東の事業拠点JERA Middle East & Africa Management Co., Ltd.の開設について
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