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【国際】VCMI、主張実践規範でスコープ3でのカーボンクレジット使用に上限設定へ。パブコメ募集

 ボランタリーカーボン市場の国際ルール策定イニシアチブ「ボランタリーカーボン市場インテグリティ・イニシアチブ(VCMI)」は3月1日、2023年6月に発行したカーボンクレジット使用の国際ルール「主張実践規範(Claims Code of Practice)」の付随ルールとして、スコープ3削減の原則を定めた「スコープ3・フレキシビリティ・クレーム」策定の考え方を発表した。3月18日までパブリックコメントを募集する。

【参考】【国際】ICVCM、CCPラベルの取得申請開始。VCMI主張実践規範はCCPラベル取得を実質義務化(2023年9月17日)

 VCMI「主張実践規範」の基礎基準では、毎年の二酸化炭素排出量の算定・公表、短期的な削減目標設定では科学的に基づく削減目標を設定、長期的な削減目標設定では2050年までのカーボンニュートラルへのコミット、目標達成が順調に推移していることを示す進捗状況の公表、パリ協定と整合性のある政策アドボカシーへのコミットの4つが盛り込まれている。

 VCMIでは、CCPラベル相当のクレジットが、購入量全体に占める割合が100%の場合には「プラチナ」、60%以上の場合は「ゴールド」、20%以上の場合は「シルバー」の3段階の等級を定めている。等級の主張は、各社が自主的に行うことができる。但し、VCMIは11月に「測定・報告・検証(MRV)保証枠組み」を発行する予定で、VCMIに関する自主訴求を行う場合は、第三者検証の取得が義務付けられる。

 現在策定を進めている「スコープ3・フレキシビリティ・クレーム」では、スコープ3の削減のためにカーボンクレジットによるカーボンオフセットの使用を制限するというもの。具体的には、「プラチナ」「ゴールド」「シルバー」の等級を取得する場合に、カーボンオフセットの割合上限を現時点で50%、2030年までに25%、2035年もしくは最初の等級取得から10年後までの早い方までに0%にするという要件を課す。

 またVCMIは2月29日、国連開発計画(UNDP)との間で、カーボン市場活動を強化するための覚書を締結した。発展途上国、先住民族、地域コミュニティでのカーボンクレジットを創出を後押しする。

 発展途上国でのカーボンクレジット創出では、VCMIが「アクセス戦略プログラム」を、UNDPが「高インテグリティ・カーボン市場イニシアチブ」を展開しており、双方の活動を連携させる。

 今回の覚書では、協力分野として3つを掲げた。

  • インテグリティの向上:インテグリティの高いカーボン市場に関与する官民の能力を拡大し、国、地域、組織内における倫理的かつ公平なカーボン資金フローを促進する。
  • 市場アクセスの促進:低・中所得国が市場メカニズムや気候変動資金への投資機会にアクセスできるよう支援し、国レベルと地方自治体レベルの双方で参入障壁に対処する。
  • 協力ネットワークの構築:カーボンファイナンスの拡大を促進するため、官民のネットワークを共有・拡大する。

【参照ページ】VCMI opens request for proposals to improve the methodology for VCMI’s Scope 3 Flexibility Claim 【参照ページ】UNDP partners with VCMI to achieve climate goals

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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