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【EU】亡命・移民関連法改正、成立、受入手続を統一。負担共有の連帯メカニズムも

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会は5月14日、移民及び亡命に関する5つのEU法規制改正案を可決。同EU規則が成立した。2年後に施行される。さらに欧州委員会は近く、同プロセスにおいて加盟国を支援するための共通の実施計画を発表する予定。

【参考】【EU】EU理事会と欧州議会、亡命・移民の新ルールで政治的合意。連帯メカニズム導入へ(2024年1月2日)

 EUでは、2011年に大量発生したシリア・中東難民を機に、移民及び亡命に関する規制の在り方の検討が始まった。しかし、暫定的な合意は2016年と2020年に合意されたものの、抜本的な法改正については長年合意に至らなかった。今回13年越しに合意に達した形。

 今回、改正が成立したのは、亡命手続規則、亡命・移民管理規則、非正規移民に関する規則、EURODAC規則、移民危機対処フレームワークの5つ。関連法まで含めると10の法案で構成されていた。

 今回の改正では、各EU加盟国当局は、域外国境にいる非正規移民や亡命申請者の審査を事前に決められている基準に照らして迅速に行えるようになった。また、身元確認、安全性・脆弱性チェック、健康診断の方法も統一した。また、国際庇護申請者やEU域内に不規則に到着した人々を含む、さまざまなカテゴリーの移民について、生体データ等のデータ収集が可能になる。これにより、個々人の把握や、取締強化がしやすくなる。

 亡命手続規則の改正では、国境手続を統一。帰還国境手続規則では、国境手続で申請が却下された人々の帰還を扱うルールが確立した。亡命・移民管理規則では、EU加盟国が国際庇護申請の審査に責任を持つかを決定し、加盟国間の公平な責任分担を初めて導入するものである。危機管理規則では、EUは例外的な状況における亡命申請への対応を迅速に行えるようにした。

 資格規定・受入条件指令では、国際的庇護を与える基準と庇護申請者の受入基準について統一した規則を制定。再定住規則では、再定住と人道的受入れのための共通規則を確立した。

 今回の法改正の特徴は、移民・亡命に関し、基準を統一化するとともに、どのEU加盟国が受け入れるか責任を持つかを明確にした点にある。さらに、特定の加盟国に負担が集中しないよう「連帯メカニズム」を導入し、他の加盟国に支援を義務付けた。支援の手法には複数の選択肢を設ける。具体的な選択肢は、庇護申請者や国際的保護の享受者の移送、第三国を含む財政的支援、人員配置やキャパシティビルディングに焦点を当てた措置等がある。大量入国等の危機的状況時や不可抗力に対処するため、加盟国は特定の規則を免除し、他のEU諸国に連帯の強化を要請することができるルールも決めた。それには、庇護申請者の登録期限や国境手続の期間等の適用を除外するというものがある。

【参照ページ】The Council adopts the EU's pact on migration and asylum

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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