
世界経済フォーラム(WEF)は5月23日、口腔ケア領域に関する報告書を発表した。世界的に口腔ケア領域への投資は不足しており、年間35億人の健康へ影響を及ぼし、治療費と生産性の損失は7,100億米ドル(約111兆円)だと報告した。
同報告書は、口腔ケア領域の健康被害と投資状況を分析したもの。米国歯科医師会、コルゲート・パーモリーブ、ヘンリーシャインと共同作成し、口腔衛生に関する官民の投資拡大を呼びかけた。
同報告書では、世界人口の約半数に当たる35億人が口腔疾患の影響を受けており、世界の人口増加を上回るペースで増加していると報告。口腔疾患の患者は、糖尿病、脳卒中、心臓疾患、呼吸器疾患、がん等の他の深刻な病気にかかるリスクが高い。
治療費と生産性の損失による経済損失は7,100億米ドル(約111兆円)。口腔疾患は医療制度や医療保健制度の対象外となる場合が多く、特に脆弱な立場にある人々への負担が年々増加しているとした。
口腔衛生を改善するための対策として、政府が国民皆保険政策の1つとして公的医療保険制度等に口腔保健を組み込むこと、企業が雇用者に提供する医療保険制度において口腔保健サービスの適用範囲を拡大すること、国内での保健システム強化のための慈善活動の一環として口腔保健活動に投資する等を提言した。
また、WEFは2023年、WEFの「グローバルヘルス・エクイティ・ネットワーク(GHEN)」内に、世界の口腔衛生の改善を目指すイニシアチブ「オーラル・ヘルス・アフィニティ・グループ(OHAG)」を発足。今回の発表を受けて、官民パートナーシップと投資を加速させるとした。
【参照ページ】New Report Makes Economic Case for Increased Oral Health Investment
Sustainable Japanの特長
Sustainable Japanは、サステナビリティ・ESGに関する
様々な情報収集を効率化できる専門メディアです。
- 時価総額上位100社の96%が登録済
- 業界第一人者が編集長
- 7記事/日程度追加、合計11,000以上の記事を読める
- 重要ニュースをウェビナーで分かりやすく解説※1
さらに詳しく
ログインする
※1:重要ニュース解説ウェビナー「SJダイジェスト」。詳細はこちら