
表現の自由・プライバシー保護推進の国際イニシアチブ「グローバル・ネットワーク・イニシアティブ(GNI)」は8月26日、第5回目の企業評価に向けたメソドロジー変更が、欧州やオーストラリアで制定された法定開示にも対応していると強調。評価に向けた準備を進めるよう伝えた。
GNIの企業評価は、2008年に創設され、2021年度の評価が第4回目。2021年度の評価で対象となった企業は、グーグル、メタ・プラットフォームズ、米ヤフー、マイクロソフト、BTグループ、エリクソン、ノキア、オレンジ、テレノール、テリア、ボーダフォン。評価軸は、国連ビジネスと人権に関する指導原則(UNGP)を基に策定されたGNI表現の自由及びプライバシー原則と実施ガイドラインが用いられていた。
第5回の評価メソドロジーの変更では、まず、表現の自由とプライバシーの観点からの人権デューデリジェンスの観点を強化。これにより、EUのデジタルサービス法(DSA)が超大規模プラットフォーマー(VLOP)や検索エンジン(VLOSE)に対して要求するシステミックリスク評価や、EUの企業サステナビリティ・デューデリジェンス指令(CSDDD)が求めるリスクデューデリジェンスと整合させる。さらに、オーストラリアのオンライン安全法にも対応した内容としていく。GNIは、GNI評価と、DSA、やCSDDD、OECD多国籍企業行動指針、UNGPの内容が収斂するようにエンゲージメントをしてきたとし、DNI評価に基づく開示は、他の法定開示や自主開示にも用いることができると強調した。
次に、AIデューデリジェンスにも対応する。GNIは、UNGPが作成した生成AIリスクに対処するための基本文書の策定にも貢献しており、ルール形成を主導する立場にあることにも言及した。
また、GNIは、インターネットビジネスのエコシステムが多様化、複雑化することで、同一の尺度で企業を評価できなくなっていることにも対応。企業のビジネスモデル、コンテンツやデータを閲覧し影響を与える技術的能力に応じて、評価の視点を変えるためのガイダンスを策定している。
GNIは、EUで発展してきた法理は、普遍的な内容を含んでいると鑑み、EU域外の事業慣行に対しても同様のリスク評価の枠組みを適応していく考え。第5回評価は、第4回評価から対象企業を拡大することも検討している。
【参照ページ】Adapting the GNI Assessments for Mandatory Due Diligence Regulations
【参照ページ】Adapting GNI’s Assessment Process to Meet Evolving Expectations
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