
国連総会は9月12日、イスラエルとパレスチナの二国家共存を支持するニューヨーク宣言を、賛成142、反対10、棄権12の賛成多数で採択した。アントニオ・グテーレス国連事務総長は賛成を呼びかけていた。
ニューヨーク宣言は、フランスとサウジアラビアが主導して7月にハイレベル国際会議を開催。他に、EU、日本、英国、イタリア、カナダ、スペイン、ノルウェー、アイルランド、トルコ、ブラジル、メキシコ、エジプト、ヨルダン、カタール、インドネシア、セネガル共同議長国となり、採択していた。
今回の国連総会での決議は、ハイレベル国際会議で採択されたニューヨーク宣言を国連総会として公式に決議したもの。ニューヨーク宣言では、パレスチナ・ガザ地区での戦争を集結させるため、パレスチナが独立する二国家解決策を支持。パレスチナ民間人の強制移住を含む、領土的・人口構成的変化をもたらすあらゆる行為を拒否し、パレスチナ自治政府の要請に基づいて国連安全保障理事会が権限を発動して暫定的な国際安定化のための国連部隊を派遣することも支持している。
今回の決議に反対したのは、米国、イスラエル、ハンガリー、アルゼンチン、パラグアイ、ミクロネシア、ナウル、パラオ、パプアニューギニア、トンガ。棄権したのは、チェコ、アルバニア、カメルーン、コンゴ民主共和国、エクアドル、エチオピア、フィジー、グアテマラ、北マケドニア、モルドバ、サモア、南スーダン。さらに、アフガニスタン、アンティグア・バーブーダ、ベニン、ブータン、ボリビア、中央アフリカ、ドミニカ、赤道ギニア、エリトリア、エスワティニ、ジョージア、グレナダ、ギニアビサウ、ハイチ、ホンジュラス、イラン、イラク、キリバス、リベリア、マダガスカル、マラウィ、モナコ、パナマ、サントメ・プリンシペ、チュニジア、ツバル、バヌアツ、ベネズエラ、ザンビアは無投票だった。
国連総会の決議に法的拘束力はなく、今回の決議はイスラエルへの政治的なプレッシャーや国際世論に訴えかける意味が大きい。また国連部隊を派遣するには、国連安全保障理事会の決議が必要となるが、米国が反対するため、実現は厳しい状況にある。
パレスチナは、自国として独立宣言をしており、すでに中国とロシアを含む147カ国が国家承認している。一方、パレスチナを国連加盟国とすることには米国が強く反対しており実現していない。また、日本、英国、ドイツ、フランス、イタリア、カナダも国家承認していない。そのため、日本では「パラスチナ国」ではなく「パレスチナ自治政府」と表現されている。
【参照ページ】General Assembly endorses New York Declaration on two-State solution between Israel and Palestine
【参照ページ】New York Declaration on the Peaceful Settlement of the Question of Palestine and the Implementation of the Two-State solution – UN High-Level International Conference
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