
国連環境計画金融イニシアチブ(UNEP FI)は9月29日、11月に開催される国連気候変動枠組条約第30回ベレン締約国会議(COP30)での交渉テーマに関し、金融機関のリスクと機会を形成する可能性のある重要課題を5つ挙げた。
1つ目は、国別削減目標(NDC)と明確な投資経路の強化。パリ協定加盟国は2025年中に2035年目標を提出することになっており、民間セクターにとっては、新たな目標に紐づくセクター別のロードマップ、政策動向、ビジネス機会へと転換を見極めていく必要があるとした。
2つ目は、発展途上国への資金動員。2024年のCOP29では、発展途上国向けに2035年までに年間3,000億米ドル以上を動員し、同期間中に年間1.3兆米ドルを目指す新たな集団的定量目標(NCQG)が決まっており、UNEP FIは、数千の公的・民間機関を代表するグローバル連合体を召集し、COP30議長国ブラジルに対し、具体的な提言を行う考え。同時に、2023年のCOP28で採択された「適応に関するグローバル目標」と2025年に合意された実施枠組みに基づき、経済的レジリエンスの資金調達方法についても議論される予定。
3つ目は、持続可能で気候変動対策に沿った投資の促進。サステナブルファイナンス・タクソノミーが重要になるとし、多くの国・地域では、生物多様性、気候変動適応、その他の優先事項をカバーするようタクソノミーが発展してきていることも評価した。COP30では新たな国家・地域計画が発表される可能性があり、また異なるタクソノミーの相互運用性確保に向けた進展も見込まれている。
4つ目は、国連主導のパリ協定6.4条グローバル・カーボン市場のルール策定。ほぼ全ての国が、自国のNDC達成にカーボンクレジットを活用する意向を示しており、金融セクターにとっては、カーボンクレジットを創出するプログラムの資金提供者、内部移行目標達成のためのクレジット購入者、目標を上回る機関向けのクレジット販売者、あるいはクレジット取引のリスク管理・保険提供者としての複数の役割の可能性が開かれるとした。COP30では市場開設前のテクニカル規則の最終化が行われる。定義が進められている規則には、炭素削減・除去活動の「追加性(アディショナリティ)」や「カーボン・リーケージ」に関するガイドラインが含まれる。
最後は、公正かつインクルーシブな移行の調整。化石燃料からの脱却を、公正かつインクルーシブに進めるため、COP30では、公正な移行(ジャストトランジション)のためのベレン行動メカニズムが決定される予定。内容には、気候変動計画と投資へのステークホルダーの視点、雇用創出と労働者トレーニング、ダイバーシティ戦略の統合、当該目標に向けた進捗の測定等が含まれる。
【参照ページ】Road to COP30 — Five negotiation outcomes that could shape global finance
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