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【EU】EU理事会と欧州議会、犬・猫の動物福祉強化法改正で政治的合意。個体登録義務化、ハイブリッド交配禁止

【EU】EU理事会と欧州議会、犬・猫の動物福祉強化法改正で政治的合意。個体登録義務化、ハイブリッド交配禁止 2

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は11月25日、ブリーダー、販売施設、保護施設で飼育される犬・猫の福祉向上を図るEU規則等の改正で政治的合意に達した。欧州委員会が2023年12月に発表した改正案のうち、犬・猫に関する部分について、今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、動物福祉で新EU規則案発表。動物輸送とペット飼育で規制強化。毛皮の検討も(2023年12月18日)

 今回のEU規則改正では、今回のEU規則改正では、すでに飼育されている犬・猫を含む全ての犬・猫個体を、全ての事業者に識別することを義務化。但し、自然人(個人)は同義務の対象外。EU加盟国はより厳しい規則を維持または導入することが可能。

 また、犬・猫の繁殖は規制され、頻度制限と最低・最高年齢が設定される。特に、近親交配(親子間、兄弟・半兄弟間、祖父母と孫間の交配)は原則禁止となり、遺伝的多様性が限られた地域固有種の保存目的での近親交配のみが例外的に認められる。野生種との交雑種のハイブリッド交配も禁止となる。耳の切断、尾の切断、爪の除去等の苦痛を伴う切断は、医学的根拠がある場合を除き禁止となる。

 犬・猫の飼育時には、清潔で新鮮な水、十分な餌、適切な飼育環境を提供することが義務化。生後8週間以上の犬に関しては、さらに、毎日屋外エリアへのアクセスもしくは散歩が必須となる。

 犬・猫の飼育事業者や管理施設は、販売または譲渡前に全ての犬と猫にマイクロチップを装着し、国家データベースに登録することを義務付けられる。各EU加盟国のデータベースは相互運用やオンラインアクセスが可能な状態にする。施設は獣医師による定期的な訪問も必須で、犬・猫を販売または譲渡する際、動物の責任者は責任ある飼育に関する意識啓発を行う義務も課される。事業者は犬・猫の放棄も禁止され、2回の帝王切開手術を受けた雌猫・雌犬は繁殖に使用することも禁止。極端な特徴を持つ猫や犬は、その福祉や子孫の福祉に有害な影響を与えるリスクが高い場合、繁殖から除外され、これらの特徴が次世代に受け継がれるのを防ぐ義務も課される。極端な体型特徴や切断・切除のある猫や犬は、競技会、ショー、展示会への参加から除外される。

 EU域外から輸入される犬・猫に対しても、同等の基準が適用される。EUデータベースへの登録も必須で、市場流通目的で輸入される犬・猫は、5営業日以内に国内データベースへの登録を義務化。非商業的な移動については、新設されるEUのペット旅行者データベースに飼い主が少なくとも5日前までに登録しなければならない。

 現在、EU市民が所有する犬は7,200万頭以上、猫は8,300万頭以上。年間市場規模は13億ユーロに達する。今回の法改正は、欧州人の74%が伴侶動物の福祉にはより強力な保護が必要と訴えた世論調査の結果、実施することとなった。

【参照ページ】Council and Parliament reach a provisional deal to improve the welfare and traceability of cats and dogs across Europe

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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