
 G20は9月11日、バイオエコノミーに関する原則「バイオエコノミーに関するハイレベル10原則」で合意したと発表した。実務家会合で9ヶ月間協議し、妥結した。バイオエコノミーでの国際合意文書採択は今回が初。原則は法的拘束力のない文書としてまとめられた。
 G20バイオエコノミー・イニシアチブ(GIB)は、2024年の議長国ブラジルの主導で発足。科学技術・イノベーション、生物多様性の持続可能な利用、持続可能な開発の促進でのバイオエコノミーの役割の3つをテーマとし、原則を策定してきた。バイオエコノミーには、 農林水産業、食品、バイオエネルギー、バイオテクノロジー等を幅広くカバーする概念。
 バイオエコノミーに関するハイレベル10原則の内容は、
- 持続可能な開発を経済、社会、環境の側面から統合・促進し、世界の食料安全保障と栄養を確保しつつ、飢餓と貧困の撲滅と、健康と福祉の向上に貢献する。
- インクルージョンと衡平性を確保し、先住民族や地域コミュニティのメンバーを含む全ての人権を尊重し、ジェンダー平等と全てのステークホルダーの参加を促進する。
- 適用される国際気候変動合意(パリ協定等)に則し、地球規模の気候変動に対する緩和と適応の努力を発展させる。
- 国内法に従い、適用される国際合意(昆明・モントリオール生物多様性枠組等)や文書に則し、生物多様性の保全、その構成要素の持続可能な利用、遺伝資源と関連する伝統的知識の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分に貢献する。
- 持続可能な消費・生産パターンと生物資源の効率的かつ循環的な利用を発展させつつ、劣化した地域や生態系の回復・再生を促進する。
- 潜在的な便益、リスク、影響を科学的に評価した上で、科学技術・イノベーションと伝統的知識を安全、確実、責任を持った形で開発する。
- バイオエコノミー製品・サービスの貿易、市場環境、持続可能なビジネスモデル、ディーセントジョブ、地域価値の創造、民間セクターや市民社会の参加を促進する強固で首尾一貫した政策枠組みを実現する。
- バリューチェーン全体のサステナビリティを評価するために、透明性があり、比較可能で、測定可能で、包括的で、科学的根拠に基づき、文脈に応じた基準や方法論を活用する。
- グローバルな課題に対処し、相互補完的な強み、イノベーション、アントレプレナーシップを活用し、資金調達、能力開発、ベストプラクティスの共有を促進する国際的な協力と協調を促進する。
- その国特有のアプローチに基づき、国の優先事項や地域・地方の状況に沿って実施する。
【参照ページ】G20 reaches consensus and establishes High-Level principles on Bioeconomy
    
    
	 
	
    
    
    
        
            
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