オランダ環境NGOのOcean Cleanupは9月1日、太平洋に浮遊する巨大なごみの塊、通称「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」の大部分が、日本、中国、韓国、韓国、台湾の沖合漁業と水産養殖活動に由来すると分析結果を発表した。論文は、学術誌「サイエンティフィック・レポート」に掲載された。
【参考】【国際】蘭NGOのOcean Cleanup、太平洋ごみベルトの回収除去に向け清掃初号機が米西海岸を出港(2018年9月13日)
同NGOは2018年、太平洋ごみベルトの回収除去に向け清掃初号機を活用した現地での回収除去作業と同時に、5cm以上の硬質プラスチック破片6,093個の発生源国の分析も実施。数値モデルによるシミュレーションと以前の海洋調査から得られた知見で補完した結果、浮遊物の大部分は漁業活動に由来することを特定した。
分析した6,098個のうち、元の製品が識別不能な破片が数で33%、質量で28%と最も多かった。2番目が、魚箱、カキ用スペーサー、ウナギ用トラップ等の漁具や養殖用具で、数26%、質量の8%。また、プラスチック製の浮き輪やブイは、数で3%と少数だが、重量では21%を占めていた。食品パッケージ系は、数で13%を占め、そのほとんどが容器のキャップと蓋だったが、質量では1%程度。消費財パッケージは、数で14%、質量で16%だった。全体では75%から86%が漁業・養殖業関連だった。
同調査では、プラスチック片に書かれている言語から、発生源の特定も試みた。言語判別できた201個の個体のうち、中国語(34%)、日本語(33%)、英語(17%)、韓国語(10%)だった。さらに、言語、文字、会社名、ブランド等の証拠に基づき、合計232個のプラスチック製物品の起源を特定した。特定された発生源は、日本(34%)、中国(32%)、韓国(10%)、米国(7%)、台湾(6%)が上位だった。
Ocean Cleanupは、7月には回収除去装置の最新型「SYSTEM 03」の開発を発表した。同NGOの作業では、2021年と2022年に実機実証を行い、現在は「SYSTEM 002」が回収除去に当たっている。SYSTEM 03は、SYSTEM 002の3倍の大きさで、回収効率を10倍にまで上げられる見通しという。
【参照ページ】OVER 75% OF PLASTIC IN GREAT PACIFIC GARBAGE PATCH ORIGINATES FROM FISHING
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