オランダ環境NGOのOcean Cleanupは9月8日、太平洋に浮遊する巨大なごみの塊、通称「太平洋ごみベルト(Great Pacific Garbage Patch)」を清掃するため、特別な装置を搭載した船舶「System 001」を米サンフランシスコ湾から出航させた。同プロジェクトは、当時18歳だったオランダ人Boyan Slat氏が設立し、2015年に「Ocean Cleanup計画」が始動。今回ついに出航にまでこぎ着けた。今後数週間ほどテスト運転した後に本格稼働する予定。
太平洋ごみベルトは、ハワイとカリフォルニアの中間、東太平洋のど真ん中に位置しており、1980年代半ばに発見された。面積約160万km2(テキサス州の約2倍)と広大で、約18兆個のごみで形成されていると試算されている。Ocean Cleanupは、浮遊式のフェンスを投入し、ごみを包囲、除去する計画で、成功すれば最初の5年間でえ太平洋ごみベルトの半分を除去することを狙う。フェンスは複数投入され、一つ当たり年間最大約68,000kg除去できるという。
今回の初回航行の目的は、開発した設備の稼働テストと、二次開発に向けてのデータ取得。回収されたごみは、今後6ヶ月以内に陸揚げされる見込み。設備は、太陽光発電パネルや衛星との通信装置を搭載している。
Ocean Cleanupの最終ゴールは、世界中の海洋プラスチックの90%を2040年までに除去すること。PayPalのピーター・ティール共同創業者や、セールスフォースのマーク・ベニオフCEO等も支援している。今回の回収作業に成功すれば、さらに資金調達を実施する。
【参照ページ】THE WORLD’S FIRST OCEAN CLEANUP SYSTEM LAUNCHED FROM SAN FRANCISCO
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