
国際エネルギー機関(IEA)は7月30日、2025年2月に発表した電力見通しの年次報告書「電力2025」の半期改訂版を発表した。2024年の最新実績値、2025年と2026年の電力需要、エネルギー源別供給量、電力セクターからの温室効果ガス排出量の最新予測値を反映した。
世界の電力需要増加率は、2024年の4.4%から2025年は3.3%、2026年は3.7%へと漸減するものの、2015年から2023年の平均2.6%を大きく上回る予測となった。工場や家電製品、建物の冷却、増加するデータセンターの運用、電気自動車(EV)等への電力供給により、電力需要が増加する見通し。
再生可能エネルギーは、天候と燃料価格の動向次第では、早ければ2025年、遅くとも2026年には石炭火力発電を抜いて世界最大の電源になる模様。原子力発電量は、日本での原子炉再稼働、米国とフランスでの堅調な発電、主にアジアでの新規原子力発電所の増設により過去最高を記録する見込み。
天然ガス火力発電も着実に増加しており、多くの地域で電力セクターにおける石炭・石油火力発電に対する代替電力源として継続。これらの動向を踏まえた予測では、発電による温室効果ガス排出量は2025年には横ばいで、2026年にはわずかに減少する見通し。
地域別では、世界の電力需要増加の大部分はアジアの新興国が占める。中国とインドは2025年と2026年の世界電力消費量の増加の60%を占める見込み。2025年から2026年までの需要増加率は、中国では5%から5.7%、インドでは4%から6.6%へと加速する。
米国では、データセンターの急速な拡大により2025年と2026年の需要増加率はどちらも2%を超え、過去10年間の平均伸び率の2倍以上となる。EUでは、2025年は1%程度の需要増加率、2026年はそれを超える緩やかな増加を予測した。
価格面では、EUと米国の電力価格は天然ガス価格の上昇により前年同期比で30%から40%上昇。特に、EUにおけるエネルギー集約型産業の電力価格は米国の2倍で、中国の価格水準よりも大幅に高い。電力価格の地域差が産業競争力に大きな影響を与えているとした。
同報告書では、増大する電力需要に対し、安全かつ手頃な価格で電力を供給するため、送電網、蓄電、その他の柔軟性の高い電力源への投資拡大の必要性を訴えた。
【参照ページ】Global electricity demand to keep growing robustly through 2026 despite economic headwinds
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