
金融世界大手米モルガン・スタンレーのモルガン・スタンレー・インスティテュート・フォー・サステナブル・インベスティンは12月3日、機関投資家のESG投資動向調査「サステナブル・シグナルズ」の2024年版結果を発表した。
同調査は、2024年7月17日から8月7日にかけ、北米、欧州、アジア太平洋地域のアセットオーナー295社、運用会社606社を対象に実施。北米301社、欧州302社、アジア太平洋298社。
調査の結果、今後2年間でESG投資の投資残高割合が増加すると答えた機関投資家は、アセットオーナーで80%、運用会社で78%となり、減少するは双方ともわずか3%だった。増加する理由については、成長機会の獲得が最多で約9割、すでに投資戦略としてのトラックレコードが確立してきたとの回答も8割程度あった。
ESG投資の動機については、顧客や外部ステークホルダーからの要請が最多で、アセットオーナーで88%、運用会社で90%。また、ポートフォリオのリスク軽減も双方で80%、法規制遵守が双方で79%、世界の長期サステナビリティ課題への対処がアセットオーナーが81%、運用会社で77%、投資パフォーマンスの機会もアセットオーナーで80%、運用会社で77%あった。
ESG投資の課題として、挙がった順位、データの入手可能性、政治・規制環境、投資先でのグリーンウォッシュ、投資先でのグリーンハッシュ(グリーンへの言及をあえて回避)/グリーンブリーチ(グリーン性分類からの離脱)、運用トラッキングエラーの大きさ、報告負担、財務価値や実世界ベネフィットに関するコミュニケーションの難しさが多かった。
ネットゼロ目標への達成意欲では、北米の運用会社は44%にとどまったが、それ以外は概ね65%前後だった。実現に向けた手法では、アジア太平洋の運用会社は低炭素発行体への投資拡大が35%と多かった。それ以外は、高排出発行体での排出削減もしくは低炭素発行体への投資拡大との双方の追求をする姿勢を示した。
機関投資家自身のカーボンオフセットの活用については、機関投資家の見解は二分しており、すでにポートフォリオの排出削減のためにカーボンオフセットを活用しているところもあれば、カーボンオフセットは削減が難しい場合にのみ活用すべきと考えるところもあった。
【参照ページ】Morgan Stanley Sustainable Signals: New Survey Shows Institutional Investors Expect Continued Growth in Sustainable Investing
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