
カナダ出版社Corporate Knightsが発表するサステナビリティの観点で世界企業ランキング「Global 100 Most Sustainable Corporations in the World (Global 100 Index)」1月21日、2026年版のランキングを発表された。早速、2026年の顔ぶれを見ていこう。
Global 100 トップ10
| 順位 |
企業 |
国・地域 |
業界 |
| 1 |
ERG |
イタリア |
エネルギー |
| 2 |
パンドラ |
デンマーク |
製造業 |
| 3 |
EDP Renováveis |
スペイン |
エネルギー |
| 4 |
フルエンス・エナジー |
米国 |
製造業 |
| 5 |
台湾高鉄 |
台湾 |
インフラ |
| 6 |
ダヴィータ |
米国 |
ヘルスケア |
| 7 |
リビアン・オートモーティブ |
米国 |
製造業 |
| 8 |
ノボネシス |
デンマーク |
医薬品・バイオテクノロジー |
| 9 |
オーステッド |
デンマーク |
エネルギー |
| 10 |
スズロン・エナジー |
インド |
製造業 |
(出所)Corporate Knightsの発表を基にニューラル作成
昨年に引き続きトップ10入りしたのは、以下の2社。今年も大規模なメソドロジー改定があり、順位にも影響を与えた。
日本からは、昨年から1社減少し、エーザイ、リコーの2社がランクイン。シスメックスがランク外となった。日本企業のランクイン数は、2015年の1社から2016年と2017年は4社。2018年も4社を維持し、2019年は2倍の8社へ、2020年は6社に減り、2021年5社、2022年3社、2023年4社、2024年、2025年は3社へと減少。今回は1社減少し、2社だった。
また、日本でも知名度の高い企業やSustainable Japanでしばしば取り上げる企業も多数、11位から100位の間にランクインしている。
- 17位 信義光能(シンイー・ソーラー)
- 23位 ブランブルズ
- 24位 アクシオナ
- 26位 エクイニクス
- 30位 NIO(蔚来汽車)
- 32位 SMAソーラー・テクノロジー
- 36位 エーザイ
- 37位 ダッソー・システムズ
- 38位 LGエナジー・ソリューション
- 40位 シュナイダーエレクトリック
- 40位 エコラボ
- 47位 テスラ
- 48位 ベスタス・ウィンド・システムズ
- 51位 ノボノルディスク
- 53位 NVIDIA
- 57位 アルストム
- 68位 ナットウエスト・グループ
- 69位 シティ・デベロップメンツ
- 71位 シスコ・システムズ
- 73位 BNPパリバ
- 74位 ケリング
- 75位 LG化学
- 77位 プロロジス
- 80位 ノキア
- 85位 SAP
- 85位 レノボ
- 87位 リコー
- 91位 ネステ
- 94位 ASUS(華碩電脳)
- 97位 TSMC(台湾積体電路製造)
- 98位 ユニリーバ
- 100位 HP
Global 100 地域別社数ランキング
|
2011 |
2012 |
2013 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
| ヨーロッパ |
44 |
59 |
55 |
49 |
52 |
53 |
59 |
59 |
51 |
49 |
46 |
41 |
44 |
42 |
44 |
37 |
| 北米 |
21 |
14 |
20 |
31 |
32 |
27 |
25 |
22 |
28 |
29 |
33 |
36 |
31 |
29 |
26 |
29 |
| アジア・太平洋 |
31 |
23 |
18 |
18 |
15 |
18 |
14 |
14 |
17 |
18 |
18 |
20 |
22 |
25 |
23 |
32 |
| 中南米 |
3 |
3 |
5 |
2 |
1 |
2 |
2 |
5 |
4 |
3 |
2 |
3 |
2 |
2 |
3 |
2 |
| 中東・アフリカ |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
1 |
2 |
4 |
0 |
地域別のトップ100企業数は、ヨーロッパが37社でトップも昨年から7社減少。アジア・太平洋が昨年の23社から32社に9社増えた。次いで、北米29社、南米2社となった。
Global 100 アジア内国別ランクイン社数ランキング
|
2011 |
2012 |
2013 |
2014 |
2015 |
2016 |
2017 |
2018 |
2019 |
2020 |
2021 |
2022 |
2023 |
2024 |
2025 |
2026 |
| アジア・太平洋 |
31 |
23 |
18 |
18 |
15 |
18 |
14 |
14 |
17 |
18 |
18 |
20 |
22 |
25 |
23 |
32 |
| 日本 |
19 |
12 |
4 |
5 |
1 |
4 |
4 |
4 |
8 |
6 |
5 |
3 |
4 |
3 |
3 |
2 |
| 中国 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
2 |
2 |
4 |
3 |
8 |
8 |
12 |
| 台湾 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
2 |
2 |
1 |
1 |
2 |
2 |
4 |
6 |
| オーストラリア |
6 |
6 |
9 |
5 |
4 |
5 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
3 |
3 |
2 |
2 |
3 |
| 香港 |
1 |
0 |
1 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
3 |
3 |
3 |
2 |
| 韓国 |
1 |
2 |
1 |
3 |
4 |
4 |
3 |
3 |
3 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
2 |
1 |
| シンガポール |
1 |
2 |
3 |
4 |
4 |
4 |
3 |
3 |
2 |
3 |
3 |
3 |
4 |
4 |
4 |
1 |
(出所)CorporateKnightsの発表を基にニューラル作成
アジア・太平洋地域内のランクイン企業数は、中国が12社でトップ、台湾が6社、オーストラリアが3社、香港と日本が2社、韓国とシンガポールが1社となった。中国は昨年の8社から大幅に増加した。
中国のランクイン企業は、サングロー・パワー・サプライ(陽光電源)が12位、GEM(格林美)が15位、信義光能(シンイー・ソーラー)が17位、小鵬汽車(XPeng)が20位、理想汽車(リ・オート)が29位、NIO(蔚来汽車)が30位、CATL(寧徳時代新能源科技)が31位、Zhejiang Leapmotor Technology(零跑汽車)が43位、Gotion High-tech(国軒高科)が44位、MLSが52位、雅迪(ヤディア・グループ・ホールディングス)が58位、Seres Group(賽力斯集団)が63位。
台湾のランクイン企業は、台湾高鉄が5位、旭隼科技(ボルトニック・パワー)が49位、巨大機械工業(ジャイアント・マニュファクチャリング)が58位、台湾セメントが72位、ASUS(華碩電脳)が94位、TSMCが97位。
ランキングの評価方法①(4つのスクリーニング)
Global 100の選出方法は、評価対象は上場企業のみで、対象企業は、以前は売上高20億米ドル以上だったが、2021年から10億米ドル以上となった。
その後、製品カテゴリーによるスクリーニングが行われ、基準を満たさない企業はその時点でランキング対象から除外される。通過した企業はスコアリングがなされ、ランキングされる。
製品カテゴリー
財務状況のスクリーニングを通過すると次は製品カテゴリーのスクリーンが行われる。今年は納税額とジェンダーダイバーシティに関する2つの基準が追加された。前年からの変更点は太字。
- 医薬品アクセス・インデックスで(ATMI)下位25%の製薬会社
- 栄養アクセス・インデックス(ATNI)で下位25%の食品会社
- Motley Fool、Wespath、Sin Stocks、RedLightNetworkでリストアップされたアダルト企業
- InfluenceMapで気候変動ロビー活動がレッドの企業
- InfluenceMapで気候変動議決権行使が下位25%の運用会社
- バンクトラックが指定する気候変動に有害なプロジェクトに10%以上の経営的、財政的な関与をしている企業
- NBIMに投資除外指定されたセメント会社
- NZ SuperFundに投資除外指定された民間武器会社
- NBIMとNZ SuperFundに投資除外指定された問題のある武器メーカー
- ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)、NBIM、NZ SuperFund、As You Sowが問題のある武器売上比率5%以上と認定している武器メーカー
- Chain Reaction ResearchまたはNBIMが森林破壊関与と認定している企業
- 新規投資の脱炭素向け割合が直近で50%未満のエネルギー企業
- 動物福祉専門機関SKでレッドリスト入りしている企業
- アメリカ・フレンズ奉仕団に投資除外推奨されている営利刑務所運営会社
- Banking on Climate Chaosが指定する直近の持続可能な収益の比率が10%以下で化石燃料事業関連の新規融資比率が高い5行。
- GICSでギャンブルセクターに位置づけられている企業
- NBIMに腐敗で投資除外指定されている企業
- 罰金・和解金の対売上比が過去1年間で1%を超えた企業
- 米国及びカナダ政府の投資家向け制裁リストに掲載されている企業
- NBIMにオイルサンドで投資除外指定されている企業
- NBIMに人権侵害で投資除外指定されている企業
- 発電量または売上の10%以上が石炭である企業(但し、発電量または売上の20%未満が石炭かつ今後石炭関連の投資計画がなく、投資の50%以上が持続可能なものである場合は対象外)
- NBIMとNZ SuperFundにたばこで投資除外指定されている企業
- 過去5年間の現金納税額のマイナスがない企業
- 取締役会または上級管理職チームに最低1名の女性メンバーが参加している企業
ランキングの評価方法②(スコアリング)
スコアリングする際の評価基準は、これまでの25項目による多角的な評価から、企業のコア事業がもたらす影響を測定する3つのKPIに集約され、33%ずつが配点。その上にボーナスKPIとペナルティKPIを含めて評価される。
- サステナブル収益スコア(KPI1):企業の現在の収益がどれだけサステナブルな活動に由来しているかを評価する指標。Corporate Knights分類に沿った総収益に対するサステナブル収益の比率により決定。サステナブル収益が売上に占める割合を評価する絶対評価と、同業他社の中での順位を評価する相対評価を50%ずつ組み合わせてスコアリングされる。
- サステナブル投資スコア(KPI2):企業の将来のためにどれだけサステナブルな分野へ投資しているかを評価する指標。Corporate Knights分類に沿った総投資額に対するサステナブル投資の比率により決定。具体的な要素には、設備投資(CAPEX)、R&D費、買収が含まれる。自社内の絶対値と同業他社との比較をした相対値を半分ずつ反映してスコア化する。ただし、金融・保険セクター企業には同KPIは適用されない。
- サステナブル収益モメンタムスコア(KPI3):企業がどれだけのスピードでサステナブル事業を成長させているかを評価する指標。Corporate Knights分類に沿った過去2年間(今回は2022年と2024年の実績を使用)の総収益の成長率を年平均成長率(CAGR)として計算。同業他社と比較し順位付けしてスコア化する。ただし、2022年のサステナブル収益がゼロかつ2024年の収益がゼロではない場合、CAGRが計算できないため同KPIは適用されず、KPI1とKPI2のウェイトが50%ずつに引き上げられる。成長率がマイナスの場合にはスコアはゼロ。ロシアによるウクライナ侵攻の影響を受けた2022年の電力価格の異常な高騰の影響を排除するため、EUを拠点とする発電及び送配電セクターの企業はKPI3は適用されない。
- サステナビリティ報酬リンク(ボーナスKPI):CEOの報酬をサステナビリティ関連の目標達成と連動させるメカニズムを構築している企業に適用される。CEOの変動報酬総額に占めるサステナビリティ目標達成によって得た報酬額を算出し、全対象企業と比較して順位付けしランクを決定。この順位ランクに5%を乗じた値をボーナス点として総合スコアに加算する。
- 制裁・罰金(ペナルティKPI1):売上高に占める支払った罰金総額の比率を算出し、最大5%まで総合スコアから差し引かれる。1件当たり10万米ドル以上の罰金等が対象。
- 死亡事故(ペナルティKPI2):総従業員数に対する死亡者数の比率を算出し、全対象企業と比較した順位に応じて最大5%までの減点を受ける。第1四分位数の場合は1%減点、第2四分位数の場合は2%減点、第3四分位数の場合は3%減点、第4四分位数の場合は5%減点。
最終ランキングの作成
最終ランキングは全業界横断での評価ではなく、まず業界ごとのスコアランキング表が作られる。そして、ベンチマーク指標であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI)でのセクター(業界)割合を用い、各業界からの最終ランキングに入ることができる業界ごとの企業数を割り当てる。最後に、その業界割当数を用い業界ランキングの上位企業から最終ランキングに入れる。
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