米国のLCC、ジェットブルー航空は7月21日、カリブ海地域におけるサステナブル・ツーリズム推進に向けた新たな奨学金制度を開始すると発表した。同社は教育と環境をCSR活動の重点テーマと位置付けており、今回の奨学金は顧客および地域の旅行体験の向上に向けて科学を活用することに焦点を当てたものだ。奨学金を通じて大学生らを気候変動に関する議論に巻き込み、自然資源を責任ある形で利用することがカリブ海地域の経済および発展にとっていかに重要かを伝えることを目的としている。
同奨学金制度の一年目となる今年は、ジェットブルー航空は責任あるツーリズムをグローバルに推進している研究機関のCenter for Responsible Travel(以下、CREST)と提携し、2人の大学生に7月22日から24日にドミニカ共和国で行われた"Innovators Think Tank: Climate Change and Coastal & Marine Tourism"への参加機会を提供した。Innovators Think Tankは招待制の公開討論会で、責任あるツーリズムや気候変動の専門家たちが名を連ねており、主にカリブ海および北米の沿岸海洋地域に焦点を当て、こうした地域での観光事業がどのように気候変動に対応していけるのかについて重点的に話し合われた。
JetBlueのサステナビリティ部門責任者を務めるSophia Medelsohn氏は「このような補助金は、持続可能な観光産業に対して最先端のアイデアを持つ大学生を議論に参加させる機会を提供することになる。カリブ海地域が気候変動や高まる生態系リスクに対応しながら発展を遂げるためには、観光業界全体で大学や学生のアイデアと協力が必要となるだろう」と語っている。
また、CRESTの事務局長を務めるMartha Honey氏は「選択は簡単だ。観光産業が気候変動という現実問題への諸悪となるか一助となるかのどちらかだ。我々が解決に向けて次世代とともに取り組むことは不可欠なことであり、観光業界が目を覚まし、観光に関わる環境の保全だけでなく、まさに我々人類の存続をかけた議論に熱意ある若者を巻き込んでいかなければならない」と語る。
今回のInnovators Think Tankで討議された内容は、報告書およびドキュメンタリービデオにまとめられて今年後半に公開される予定とのことだ。カリブ海の観光産業は自然資源を基に成り立っており、持続可能な形で観光産業を発展させるためには気候変動などへの対応はもちろん、観光のあり方そのものを見直す必要がある。観光産業に深く関わる航空会社にとって、それらの支援はCSRを超えて長期的に事業を継続していく上で欠かせない取り組みだ。
【企業サイト】JetBlue
【団体サイト】Center for Responsible Travel
【参考サイト】Innovators Think Tank: Climate Change and Coastal & Marine Tourism
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