製薬大手のスイス・ノバルティスは4月6日、赤十字国際委員会(ICRC)とパートナーシップを結び、レバノン国民とレバノン国内にいる難民に対して、生活習慣病の診断や治療の支援を共同で実施していくことを発表した。同社は、すでに「Novartis Access」を最貧国や貧困国で展開しており、非伝染性生活習慣病の分野において特許医薬品およびジェネリック薬品の双方を、1ヶ月1治療あたり1米ドル(約110円)という極めて低価格で政府や公的医療機関に提供している。
同社はICRCとのパートナーシップにより、レバノンにおける死因の半数以上を占める高血圧と糖尿病の薬を「Novartis Access」のプログラムを用いて提供する。ICRCのレバノン事務所によると、レバノン国民の半数は健康保険に入っていない。さらにシリアからの難民流入によって人口の約3分の1が難民となっており、さらに医療機関がすでにパンク状態となっている。特に、医療サービスが機能不全となっているため、早期発見と長期治療が不可欠な脳卒中や心臓発作によるリスクが高まっている。
難民問題は中東からヨーロッパ地域にかけて大きな社会問題となっている。国連持続可能な開発目標(SDGs)でも「すべての人に健康と福祉を」が17目標のうちの一つとして掲げられている。日本ではSDGsへの関心があまり高いとは言えない。今回のノバルティスの取り組みは、いち早く社会問題に対するサステナビリティ・アクションを採った事例と言える。
【参照ページ】Novartis and Red Cross partner to tackle chronic diseases in refugee populations
【企業サイト】ノバルティス
【機関サイト】ICRC
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