ソーシャルメディアの普及などに伴い消費者と企業の関係が変わりつつある中、全ての企業にとってレピュテーション・マネジメントの重要性はますます高まりつつある。そして、それはビッグデータをはじめとするテクノロジーの進化により今後5年間で更に大きく形を変えていきそうだ。企業のレピュテーション・マネジメントのコンサルティングを手がけるReputation Institute社(以下、RI社)は5月21日、2020年のレピュテーション・マネジメントを形作る10のトレンドを公表した。
RI社は企業のリスクやサステナビリティ項目を分析、レピュテーション・マネジメントを支援するコンサルティング企業で、同社が毎年公表している企業のレピュテーションに関するグローバル・ランキング、The Global RepTrak® 100は世界中の企業が注目するランキングとして有名だ。
今回レポート作成に携わったのはRI社の共同創業者兼取締役副会長を務めるCees Van Riel氏とエラスムス大学の研究者、Marijke Baumann氏で、世界中の企業のCCO(最高コミュニケーション責任者)や役員、コミュニケーション担当者らに対して調査を実施した。調査の結果、両氏は今から5年後となる2020年のレピュテーション・マネジメントを形作る10のトレンドを下記の通り明らかにした。
- まず自身について知り、それにこだわり続けること
- ビッグデータ革命が重要性を増す
- レピュテーション・マネジメントは長期的な取り組みとなる
- CCOが2020年のレピュテーション・マネジメントを主導する
- 従業員が自社のレピュテーション・アンバサダーとなる
- レピュテーション・マネジメントは企業価値を高める
- ステークホルダーの数は増え、その影響力も増す
- 個々に合わせたメッセージングが当たり前になる
- 業界全体のレピュテーションが、個々の企業により密接に影響するようになる
- 社会との関連性が企業や製品、サービスを際立たせる
調査結果の公表にあたり、Cees Van Riel氏は「レピュテーション・マネジメントは、企業の実態と、人々が認識しているその企業に対するイメージとの間にあるギャップを軽減する取り組みのことを指す。2020年に向けて、企業は10のトレンドについて理解していく必要がある。例えばビッグデータは企業がレピュテーション・マネジメントの手法に対して非常に大きな影響力を与えるため、コミュニケーション部門はビッグデータから利益を得るための専門スタッフも必要となるだろう」と語った。
ビッグデータの普及により自社をめぐるデータや情報の量が莫大に増加することは、機会とリスクの双方をもたらすことを意味している。自社の事業を巡る透明性が高まり、批判にさらされるリスクが高まる一方で、データに基づく管理・対策を行うこともできるようになるのだ。
Cees Van Riel氏は「2020年には優れたレピュテーションを有することが今まで以上に重要となる。特に優秀な人材の獲得を巡る競争は、企業は最高の人材を惹きつけるためにはより優れたレピュテーションを有する必要があることを意味する。また同時に、企業は自身の社会との関連性を明確に示すことも求められるだろう。」と付け加えた。
消費者からの評判が企業業績にもたらす影響がますます大きくなりつつある今だからこそ、企業は今後これらのトレンドをしっかりと認識し、体現していけるかが重要となる。レポートの詳細は下記からダウンロード可能。
【レポートダウンロード】Reputation 2020 - Ten Trends Driving Reputation Management
【参照リリース】Reputation Institute Identifies Top Ten Trends Driving Reputation Management in 2020
【団体サイト】Reputation Institute
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