合計12兆米ドルの資産を運用している世界の機関投資家のCEOら120人は5月26日、各国の財務相宛に今年12月のCOP21で締結される気候協定に長期的なCO2排出削減目標を盛り込むよう強く求める公開書簡"For the attention of the Finance Ministers of the Group of Seven"を公表した。世界中の投資家が一丸となり、初めてCOP21における長期CO2排出削減目標の合意、および各国に対する短・中期排出削減目標およびアクションプランの提出を呼びかけた。
同書簡では「気候変動は投資家が直面する最も大きなシステミック・リスクの一つであり、政策関係者が適切なシグナルを発することで、低炭素・気候変動に強い投資の活性化が実現できる」としており、投資機関、政策関係者間における気候変動緩和に向けた調和の必要性に言及している。
また、気候変動緩和に向けた取り組みを後回しにすれば「より厳しい対策が後々に必要となる上、エネルギー関連投資に伴うリスクが膨らむ」と警鐘を鳴らしているほか、同書簡は平均温度上昇を2度以内に抑えるためにCOP21を重大な第一歩として位置づけており、「長期的排出削減目標を含めた協定により、我々は将来の低炭素社会に向かって軌道に乗ることができる」とCOP21の重要性を訴えた。
今回の投資機関による公開書簡は昨年9月に開催された国連気候変動サミットを前にして合計24兆米ドルの資産を運用する360以上の投資家が積極的な協定の策定を求めた"Global Investor Statement on Climate Change"に続くものだ。投資家、企業と市場からはCOP21での長期削減目標策定を切望する声が続々と上がってきている。COP21まで残り半年を切り、さらに各界から積極的な動きがありそうだ。
【参照リリース】120 CEOs Managing $12 Trillion Urge Finance Ministers to Support a Long-Term Emissions Reduction Goal in Global Climate Deal
【公開書簡】For the attention of the Finance Ministers of the Group of Seven
【団体サイト】Institutional Investors Group on Climate Change
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