Access to Nutrition Foundationは1月21日、世界最大手食品・飲料メーカーら22社による消費者の栄養状態改善に向けた取り組みを評価する格付け、2016 Global Access to Nutrition Indexを公表した。
同指数は、投資家や健康関連のアドボカシー団体、そして食品・飲料企業ら自身で活用するための独立したベンチ―マーキングとして活用するために2013年に初めて公表されたもので、今回は2度目となる。
格付けにあたっては、栄養に関する各社の企業戦略やマネジメント、ガバナンス、適切かつ手頃でアクセス可能な製品の処方・提供、栄養に関する情報や食品マーケティング、ラベリングなどを通じて消費者の選択や行動に良い影響を与えているか、などが評価される。また、2016年の指数では、ネスレやダノンら乳幼児向け食品を製造している企業について、彼らの粉ミルクのマーケティングが国際的な基準に沿っているかどうかも評価されている。
2016年度の格付けではユニリーバ(6.4)が1位に輝き、次いでネスレ(5.9)、ダノン(4.9)、モンデリーズ(4.3)、マース(3.8)という順となった。ユニリーバ、ネスレ、ダノンらは、砂糖や塩、脂肪の使用量削減や、より健康的な原材料の使用、手頃な価格設定、新興市場における栄養価の高い商品の広範な提供などが評価された。また、前回の指数から最も大きくスコアを改善させたのはマースとフライズランドカンピナで、それぞれ2013年と比較して16位から5位、18位から9位へと順位を上げた。
一方で、2013年時と比較して数社において大きな改善が見られるものの、全体としては進展が遅く、1位のユニリーバでも10点中6.4と未だ多くの課題があることも明らかになった。現在世界では3人に1人が肥満もしくは栄養失調状態にあると言われており、栄養を取り巻くグローバル課題を解決するためには企業、政府、国際機関、そして市民社会が協働して取り組む必要性が高まっている。
その中でも特に重要な役割を担うのは、世界中の人々の栄養や食生活と深い関わりを持つ多国籍食品・飲料メーカーらの存在だ。先進国や新興国における肥満への対処、途上国における栄養失調問題の解決、より健康で人体および環境の双方に害が少ない食品づくり、消費者への啓蒙活動、正しい情報提供など、彼らが取り組むべき課題は多い。同指数の公表をきっかけに、各社で更に栄養に関する取り組みが進むことを期待したい。
【参考サイト】2016 Global Access to Nutrition Index
【参照リリース】World’s largest food companies urged to step up efforts on global nutrition crisis
【団体サイト】Access to Nutrition Foundation
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