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【アメリカ】米石炭最大手ピーボディ、連邦破産法11条の適用を申請

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 米石炭最大手のピーボディ・エナジー社は4月13日、連邦破産法11条(チャプター・イレブン)をミズーリ州東部地区の連邦破産裁判所に申請したと発表した。申請書類によると、同社の2015年末時点での総資産は110億米ドル(約1兆1,800億円)、負債総額は101億米ドル(約1兆800億円)。

 同社は民間企業としては世界最大の石炭企業。2011年にオーストラリアの石炭企業、マッカーサー炭鉱社を51億米ドル(約5,500億円)で買収したことが重荷となった。買収後、主に中国市場で石炭価格が急激低下、昨年にはマッカーサー炭鉱社の資産価値を7億米ドル(約750億円)減損処理していた。さらにアメリカ国内の「シェールブーム」による天然ガス価格の低下や、オバマ政権の環境規制強化も重なり、巨大な負債の返済が困難となっていた。

 同社は、事業活動は継続されるとしており、銀行から8億ドルのつなぎ融資(DIPファイナンス)を受けながら再建を目指す。一般的なチャプター・イレブンの申請とは異なり、同社の再建計画は債務削減の計画を示すものとはなっていないが、債務者は債務価値を大幅に減額された後に株式への転換を強いられるとの見方も強い。同社の株は、12日に2.07ドルの終値をつけ、翌13日には取引停止となった。すでに連邦破産裁判所にはすでに10億米ドル相当の担保回収請求申請が寄せられているという。

 2014年半ばからの資源価格の低下以降、資源関連企業の倒産が相次いでいるが、中でもピーボディ・エナジーのチャプター・イレブン適用は最大規模。その他、全米2位Arch Coalは2016年1月に、全米4位Alpha Natural Resourcesは2015年8月に、全米12位Patriot Coal Corporation(12位)は2015年5月に、全米17位Walter Energyは2015年7月にチャプター・イレブンを申請している。全米石炭採掘量の約45%がチャプター・イレブンを申請した計算となる。

 気候変動への対応が叫ばれる中、近年、気候変動を引き起こす企業への投融資はリスクがあるとする「座礁資産」という概念が広がっていた。日本の商社でも資源資産は大幅な減損を迫られたとの報道もある。ピーボディの倒産は、座礁資産が大手金融機関にとっても無視できないものとなってきたことを表している。

【参考ページ】Leading global coal miner Peabody files for bankruptcy
【企業サイト】Peabody Energy

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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