インド最高裁判所は10月9日、デリー首都圏においてインド最大の祭「ディワリ」期間中に爆竹を販売することを禁止する判断を下した。インドでは中国以上に大気汚染が深刻化している。とりわけデリー首都圏は酷く、児童・生徒の440万人が肺疾患を患っているとの報告もある。爆竹の使用は大気汚染物質を排出させるため、最高裁判所は爆竹の使用をデリー首都圏では禁止する措置を昨年11月に決定。その後、産業界から禁止解除の措置を求めていたが、ディワリ期間中の解禁とはならなかった。今年のディワリは10月19日。
デリー首都圏は、平常時でも大気汚染量が安全レベルの約3倍。これが、爆竹使用がまだ許可されていた昨年のディワリでは、29倍にまで高まった。学校は休校となり、さらに大気汚染状態を鎮めるため、発電所や建設工事までも一時停止となる事態にまで発展した。そこで昨年11月に最高裁判所は、ディワリ期間中は爆竹の販売、卸売、小売店での取扱に必要なライセンスを停止するという判断を下した。
これに爆竹関連企業は一斉に反発し、解除を求めた。しかし、最高裁判所は今回、昨年との比較をするためにも10月31日までは爆竹販売を解禁する措置を取ると発表した。デリー政府汚染規制委員会も今回の最高裁判所の決定を歓迎。それでも同委員会は、ブラックマーケットでの販売は継続だろうと予測しており、昨年以上に大気汚染の警戒感を高めている。
デリー市政府も10月15日、大気汚染の状態を観測しつつ、状況に応じて大気汚染物質排出が多い発電所や建設業、メーカーなどの操業停止を段階的に発動する規制強化体制に入る。ディワリ期間中に大気汚染状況が「非常に悪い」と判定されると、ディーゼルエンジンの使用は禁止され、交通量を減らすために駐車場料金も値上げされることになっている。
【参考ページ】Supreme Court bans sale of firecrackers in Delhi-NCR ahead of Diwali
【参考ページ】India's supreme court bans Diwali fireworks in Delhi to tackle pollution
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