【フランス】食品大手ラクタリス、サルモネラ菌汚染により乳児用粉末ミルクを1,200万箱回収 2018/01/27 最新ニュース

 フランス乳製品大手ラクタリスが製造した7ブランドの乳児用調製粉乳(粉ミルク)が、工場内でサルモネラ菌アゴナ株に汚染され、昨年8月以来、複数の国で多数の被害者が出ている。欧州食品安全機関(ESFA)によると、1月11日の時点でフランスで37人、スペインで1人、ギリシャで1人、合計39人の感染が確認されている。いずれも1歳未満の乳児だという。今のところ死亡者の報告はないが、訴訟になっているケースがあるとBBCは報じた。

 同社は、関係機関の要請に応じ、2017年2月15日以降に製造された調製粉乳を含む全ての製品を、リコールまたは販売・輸出が中止とした。ESFAによると、2018年1月15日時点でリコールの対象国はEU加盟国が13カ国、その他の欧州、アジア、中南米、アフリカ地域で合計54カ国。各国には食品・飼料早期警戒システム(RASFF)により、国際食品安全当局ネットワーク(INFOSAN)を通じて詳細な情報が伝えられている。アジアでは中国が含まれているが、日本は対象国とはなっていない。これまでに1,200万箱以上の製品が回収された。

 サルモネラは重度の下痢、胃痙攣、嘔吐、重度の脱水を引き起こすことがあり、特に乳幼児か感染した場合には、生命を脅かす危険がある。今回の事件に関連して世界保健機関(WHO)は、乳児用調製粉乳は無菌製品ではなく、サルモネラ菌は原材料に相当量含まれていると警告。さらにこの菌は長期にわたる乾燥に強い性質があり、特にぬるま湯で粉乳を調整すると急速に増殖するため、乳幼児間での感染の恐れがあると注意を促している。予防策としては同社の
調製粉乳を使わないことが一番だが、代替品がない場合には70℃で2分間加熱し、それを37℃に冷やす方法で菌を不活性化できるという。

 ラクタリスは世界最大級の乳製品製造・販売業者で、年間売上高は170億ユーロ(約2.3兆円。、47カ国に246の生産拠点を持ち、フランス国内だけで15,000人を雇用している。同社の説明によると、サルモネラ菌による汚染は北西フランスのクラオン(Craon)にある工場の改修工事によって発生したことが考えられるという。 

 今回の事件については、同社が発生を隠そうとしたために対応が遅れたという指摘があるが、フランスの新聞ジャーナル・デュンマチェ(Journal du Dimanche)の独占インタビューでBesnier・ラクタリスCEOはこれを否定。調査には全面的に協力し、被害者の家族には補償すると語っている。

 フランス農業・食料大臣は、調査期間中は、同工場からの製品出荷を無期限に停止すると述べた。さらに政府は、今回の事件への対処に関して、処罰が科せられると警告している。また数社の主要スーパーマーケットチェーンが汚染された可能性のある製品を販売し続けたことが明らかになっており、該当する小売業者に対しても制裁を科すという。

【参照ページ】Multi-country outbreak of Salmonella Agona infections linked to infant formula
【参照ページ】French salmonella baby milk scandal ‘affects 83 countries’
【参照ページ】Outbreak of Salmonella Agona infections linked to internationally distributed infant formula-France

株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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